松井の闘いは誰の為なのか?

2005年11月15日
 松井秀喜がたった一人で闘っている。

 憧れだったピンストライプのユニフォームと、そのユニフォームのホームグラウンドでプレーできる誇り高き立場を賭けて。

松井秀、蹴った!!
―4年56億円「隔たりまだある」―
 ヤンキースの松井秀喜外野手(31)…ヤ軍側の提示として伝えられた…『4年総額4800万ドル(約56億6400万円)』の日本人最高契約を蹴った。
 …15日(日本時間16日)の交渉期限までにヤ軍側が歩み寄れば残留、なければ決裂―移籍の道を選ぶ。
(Yahoo/サンケイスポーツ/2005/11/15 08:03)

 メジャーリーグでプレーできるならいくらでもいいなどと思う日本人選手が多かった中、彼は正当な評価を求めて闘っている。
 


 自分自身の立場を賭けて闘っている松井秀喜。その交渉しだいでは憧れの立場を失うことも辞さない構えを見せつけている。

 「舐められてはいけない」…他の報道ではそんなセリフも見かけた。その言葉を裏返せば、今までの日本人大リーガーがみなどれだけ舐められていたかということだろう。

 あれだけの活躍をしたホワイトソックスの井口も、たしか“安い買い物だった”とか“お買い得選手だった”などといった評価がマスコミで囁かれていた。

 MLBでプレーしたがる日本人プレーヤーなら、そこそこのレベルの選手がみな割安な言い値で買える。そんな悪しき評価が定着してしまった証拠でもあるのだろう。

 松井は日本人プレーヤーに対するそんな評価と闘っている。



 松井のこの闘い、これからMLBに挑もうとしている日本人プレーヤーの為でありながら、実は同時に彼らの立場を厳しくもすることにもなっている。或る意味日本人プレーヤーの門戸を閉ざしていることにも成りかねない。

 だがそれも彼なりの真面目さから、あえてしていることだと思う。

 自分を追い込み、さらにそのプレッシャーに打ち克とうとする姿。もしかすると、後に続く日本人プレーヤーたちにもそんな姿を見せつけようとしているのかも知れない。

 正当な評価をしてくれるチームでプレーする。

 そんな強固な姿勢は、彼の憧れだったピンストライプのユニフォームを奪うことにもなるかも知れない。だが彼はそれを承知の上、あえて頑なに正当な評価を要求する。

 きっともっとも気に入っているそのユニフォームを賭けて。



 その想いは、たった今自分自身が日本人プレーヤーたちの頂上にいることを自覚しての決意だと思う。頂上に立つ自分が妥協すれば、日本人選手全員の天井を押し下げてしまうことを判っているのだ。

 スポーツの世界には、その頂の天辺に立つ者たちだけが垣間見ることができるゾーンがあるというが、彼は今チームとの契約交渉という駆け引きの中でも、ある意味そんな特別なゾーンにたった一人分け入り、孤独な闘いを繰り広げているのかも知れない。

 松井ファンとして本音を言ってしまえば、「頼むからそんなに頑固にならず、また来年もそのユニフォーム姿の君の雄姿を見せてくれよ」…そう言いたくなってくる。

 松井秀喜。まったく…、凄い男である。
posted at 2005/11/15 13:26 | Comment(0) | TrackBack(2) | 報道批評
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