ぜんざいには塩がいる

2004年10月31日
甘〜いぜんざいには

 塩が必要だという



甘さだけのように思えるぜんざい。

そこに加えられた一つまみの塩が、砂糖の甘みを引き立てるだけでなく、単純な味わいに一際深みを出してくれるそうだ。隠し味というものはみなそういうものだが、そのあまりに正反対の二つの味が互いに反発せず一つに調和し、あの優しい味わいを作り出してくれることを冷静に考えてみれば、ぜんざいの椀の中の相反する二つの調味料は、互いに必要不可欠な存在だといえるだろう。

  −・−・−・−・−・−・−・−

17歳の時に読んだ本である。

 
  ぜんざいには塩がいる
  ―障害児教育の原点―
    田村 一二著(柏樹社 1980年)
 

                


かれこれ24年も前のことになる。母親が公文の数学教室を開設していたせいもあり、実家には教育関係の新刊本がよく届いた。なにげなく置いてあったこの本のタイトルに目が止った。

 ぜんざいに塩?…ぜんざいってぜんざい?

料理を少しでもかじった方ならトリビアでもなんでもないが、男子高校生の私はぜんざいなどに興味はなかった。

ゆえに、完全100ヘーモノのトリビアだった。

トリビアも

 知ってる人には

  だから何?


そのトリビアにまんまと釣られた。
本などほとんど読まなかった私がなぜか一気に読んでしまった。

◇甘いぜんざいにも塩が必要である
◇障子のもろさが人の優しさを育む
◇・・・・・?
 
24年も前に読んだ本である。残念ながら細かい内容はほとんど覚えていなかった。
しかしその意味は漠然と、でも決して消えず記憶に残っている。

人の命に優先順位は存在しない

こんな考え方は至極当然である。しかしこの本が意味していたのはそれだけではない。
人々は単に平等に存在するだけではなく、それぞれ様々な人々が互いに必要不可欠な関係を持ちながら生きているという考え方である。

ここでの様々な人々とは、
様々な障害に立ち向かう障害者の人々を言っている。

  −・−・−・−・−・−・−・−

勘違いを含んだ冷めた考え方で、この本をまとめてしまうこともできただろう。

人間の進化の歴史は、遺伝子情報の継承ミスの歴史とも言える。

太古の生命が、遺伝子情報の継承を一度もミス(突然変異など)をせずに繁殖を繰り返してきたとしたら、その姿や形は何千億年過ぎようとも変化はなく進化もしない。

進化には突然変異の可能性が必要なのだ。

  −・−・−・−・−・−・−・−

そんなことを言っていたのではないことを知っているつもりだ。

心と心、魂と魂のレベルにおいて、

すべての人と人の間には

お互いが決して欠くことのできない

存在同士である理由が必ずある


そんなことをこの本が言っていたのだと、今の私は理解している。

  −・−・−・−・−・−・−・−

今にして思えば、17歳の高校生が読みふける本ではなかった。
でも、結果的にはかなりの影響を残している。影響は時間とともに変化もするし、この本が本当に言いたかったことを現在の自分が正確に理解しているかは自信がない。

それにしても、
何気なく置いてあったとずっと思っていたが、もしかしたら私の目の付くところにわざと置いてあったのかも知れない。だとすれば、私は重ね重ね罠にハマったのかも知れないわけだ。

その本を選んだ親の考え方をミスせず継承できただろうか。不安が残る。

ちなみに、
カテゴリーは〔絵本批評〕であるがこの本は絵本ではない。
posted at 2004/10/31 17:44 | Comment(4) | TrackBack(0) | 絵本批評
この記事へのコメント
ぜんざいに塩。
意味合いがまったく違いますが、以前、父が腹の足しに、缶詰のゆであずきで、自分で作ったぜんざいを(栗などのオプションはまったく入ってないので、おしるこですかね)もち7個いれて食べた後、胸焼けをおこして、「塩くれ塩」と言っていたのを思い出します。
砂糖が多い分は、塩を増やせば相殺されるって考え方は、大いに間違っていると思ったのですが、(健康には良くないはず、絶対)解ってはもらえなかったですね。
胃に入ればみな一緒、とか、言われた気がします。
Posted by たま at 2004年11月01日 01:18
17歳の頃って、色々なものを吸収したり、自分の色々な考え方の基盤ができるような時期ですよね。その頃に、そういう本に出会って、かなりの影響を残してるっていうのはいいですね。本に書いてある意味が正しいかどうかは、追求してもしなくてもいい気がします。本は完成して読む人に向けられた時点で読み手のもので、読み手が自由な解釈のほうがおもしろい気がします。
Posted by minan at 2004年11月01日 02:25
>たまさん、こんにちわ
お父様は、この言葉をからめて冗談を言ったのでしょうか・・・。

たまに、味噌汁が辛いからといって、
「塩分取りすぎだな、薄めなきゃ」と言い、
お湯を入れることがあります。
摂取する塩分量は一緒だろと思うことがあります。

ちょっと関係ないか・・・。

>minanさnおはようございます
実際、読む本や、見る映画、どれも作者の意図とは全く関係ないことに反応することってありますよね。

作品の完成度は受けて次第ってことでしょうか。
Posted by 映太郎 at 2004年11月01日 06:46
それにしても、
こんなに固く**まじめな話題にもコメントしてくれるなんて・・・、

ありがとうございます。ちょっと・・・かなり嬉しいです。
Posted by 映太郎 at 2004年11月01日 06:56
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