B.J…オペの順番と放送の順番

2004年10月26日
ブラックジャックが日テレアニメ枠ではじまってまだ間もないが、昨日は地震に関するシーンが登場するということで、第三話「ひったくり犬」が急遽差し変えられた。

TVアニメ版ブラック・ジャック
 スタッフ&キャスト
原作・手塚治虫(秋田書店刊)
製作統括・松谷孝征・小石川伸哉
企画・清水義裕・諏訪道彦
音楽・松本晃彦
チーフディレクター・桑原智
メインキャラクターデザイン・神村幸子
美術監督・斉藤雅巳・柴田正人
撮影監督・木村俊也
デジタルテクニカルディレクター・高橋賢太郎
編集・森田清司
音響監督・井澤基
広報・藤本美歩・丸谷忍
制作デスク・大塚峰子
アシスタントプロデューサー・北田修一
アニメーションプロデューサー・大石光明・大澤宏
プロデューサー・斎藤朋之・宇田川純男
チーフプロデューサー・諏訪道彦・久保田稔
監督・手塚眞
制作・よみうりテレビ
・手塚プロダクション
ブラック・ジャック・大塚明夫
ピノコ・水谷優子
シャラク・佐藤ゆうこ
和登・小野涼子
本間久美子・川瀬晶子
マスター・富田耕生
コング・岩田光央
ラルゴ・石井 真
TVアニメ版公式サイト⇒リンク

 犬のラルゴが登場するそのエピソードは、大好きな内容なのでとても残念だったが、放送の順番が変わった理由には納得できる。

 再び放送されたプロローグ-[Karte:00]をじっくり見てみると、さすがに第一回放送分の重要さがあらためてじわじわと見えてきた。

プロローグ-[Karte:00]
--「オペの順番」--
 船の事故により怪我をした代議士幼児と一匹のイリオモテヤマネコ。応急手当てを依頼されたブラックジャックは高額な礼金の支払いを確約した代議士より先に、まず重体の猫の手当てからはじめる。
 治ったものの手当てを後回しにされた代議士はブラックジャックを訴える。
その裁判の最中、検事はその手当ての順序に関し、彼の命に対する姿勢を問う。

検事…「あなたは一人の市民(代議士)と一人の幼児と一匹の猫の三人、いいゃ、二人と一匹の重傷者のうちなぜ猫、幼児、市民(代議士)の順で応急手当したのですか?」
B.J…「三つの怪我を調べたら、田中さんが一番軽く、イリオモテヤマネコが最も重体でした。だから、症状の重い順に、猫を最初に手当てした。それだけのことです。」
検事…「するとあなたは人間と動物を同格に見ているのかね?あなたは医者としてそういう主義なのですかっ?
B.J…「そうです」
裁判で証言するブラックジャック
ブラックジャックは、ためらいもなくあっさりと答えた。

それにしても、
◆ブラックジャックはあっさりと答えている。命に対する価値観と、その価値観に対する価値観の程を。その命の価値には人も動物も違いがないことまでを。

◆手塚治虫氏はあっさりと、そしてくどいほどに書き残していた。或る意味当然のようなこれらのコンセプトは、彼の数ある作品の中にしつこく刷り込まれている。

◆そして手塚眞氏はあっさりとこの台詞を第一回放送に加えていたわけだ。手塚治虫の大切な言葉の数々を、これからどういった順番で聞かせてくれるのだろうか。

これから毎週放送されていく多くのエピソードの順番は、手塚眞氏の価値観をかいま見ることができそうだ。どれも価値ある内容ゆえにどんな順番でも楽しみなことに違いはないが。

ちなみに第一回のラストには、すでに皮肉たっぷりな台詞も入っている。
ピノコ…「ねぇ、どうちて猫チュジュツ(手術)したの?」
B.J…「イリオモテヤマネコってのは、西表島で滅びかかっている動物でな。たったの百匹ぐらいしか居ないんだよ。」
ピノコ…「百匹?すくな〜い。」
B.J…「そうだ。代議士なんてあまるほど居るのにな。」


アニメなんてあまるほどあるこの時代、みなそれぞれに自分だけの名作があるだろう。
私にとってこの作品は、最も大切な名作の一つである。その価値観にも大いに自信がある。
posted at 2004/10/26 18:12 | Comment(12) | TrackBack(1) | 放送批評
この記事へのコメント
B.J 毎回、見逃している私です(汗)

手塚治虫の漫画は「火の鳥」をTVで偶然見てから
その描かれている世界に、とても興味を持ちました。
それで買い集めて「火の鳥」全巻見ました。
こんなに漫画を読んだのは 私にしては珍しい事です。
なんというか もっと多くの作品を是非見てみたい
と思わせてくれる
日本が世界に誇れる漫画家ですね(今更ですけど)
Posted by なな at 2004年10月26日 20:17
足跡に感謝します。

火の鳥のエピソードでは、腕のいい仏師が両腕を切り落とされるという話があったと思うのですが、どの本に入っているかわからず探しています。もしやご存知ですか?

ブラックジャックにも似たような話があって、それも結構お気に入りの作品の一つです。両腕を失った寿司職人と彼の腕を奪ったトラック運転手の話しです。

どちらにも登場するのは、過酷な運命のいたずらや、むごすぎるほどの皮肉な状況でした。初めて読んだ子供時代、かなりの影響を受けたものです。
Posted by 映太郎 at 2004年10月26日 21:01
BJ、火の鳥、どろろは私の中では手塚3大アニメです。
いつ読んでも、いいです。
この年になって、「ああ、そういうことだったんだ」などと実感するとこもあります。
Posted by かれん at 2004年10月26日 23:20
再び、こんばんは!

私の持っているのは 角川文庫のやつなんですよ!
(文庫版で揃えました)
映太郎さんの お探しなのは「鳳凰編」ですね!
角川文庫のだと4巻にあたります。

この話は、私も凄く好きな話なんですよ。
Posted by なな at 2004年10月26日 23:36
こんばんは、はじめまして。
手塚氏の漫画は私も大好きです。
第1回目で命の平等さの関する話を持ってきたことはすばらしいと思います。
BJはむごい状況になることも多いのですが、それをうわまわる人間関係にって感動する話が多いですね。漫画で泣きそうになる作品の一つです。

ただあのアニメ…BJが手術するために着替えるシーンであのようなパフォーマンスに似たポーズにする必要があったのかと思います。変身ヒーローじゃないのですから、あれはやめて欲しかったです。

ではでは、お邪魔しました。
Posted by ぽこ at 2004年10月27日 00:46
>かれんさん、いらっしゃいませマセ。
そうですね、
何年も経ってから、時には大人になってはじめて意味がわかるということも、手塚氏の作品に限らずありますね。

親の子の頃、子知らず
・・・ん?、いや、
親の心、子知らず
親になって親心をやっと知るなんて風に。

>ななさん、再びいらっしゃいませ。
「鳳凰編」でしたか。先日NHKで放映された時も気にしていたのですが、結局見れずじまいでした。
早速探してみます。
わざわざありがとうございます。

>ぽこさん、こんばんわ。
たしかにあの変身シーンのような部分はちと驚きましたが、犬夜叉やコナンの隙間に食い込むにはしょうがないものかと、思っていました。
ただ、以前何度かアニメ化された時のバージョン、やたらと虹色の光線が差しこまれていた版に比べれば、かなり原作に忠実に描かれていることですし、満足しています。

みなさんの足跡に感謝いたします。
Posted by 映太郎 at 2004年10月27日 01:17
虹色光線版というものもあったのですか。どんなのかな、ちょっとびっくりな効果っぽいですね。
今回のものはキャラもほぼ手塚氏と同じでいい感じだと思います。
Posted by ぽこ at 2004年10月27日 02:09
れいやさんのブログ
† Sodom & Gomorrah †
http://kuyoh.seesaa.net/article/876866.html
で教えていただきました。
OVAシリーズと呼ばれているらしいです。

かなり見栄えを意識した作品で、原画に馴染みのある人には、ちょっと抵抗を感じる出来栄えです。
「否定はしないけど、ちょっと違うよねぇ」といった感想といえば、微妙な違いが伝わるでしょうか。

Posted by 映太郎 at 2004年10月27日 02:43
なるほど、わざわざありがとうございました。
かなり「美しい」みたいですね(汗)。
Posted by ぽこ at 2004年10月27日 20:28
いえいえどういたしまして
またお越し下さい。
Posted by 映太郎 at 2004年10月27日 21:03
こんばんは。こちらには初めてお邪魔します。

先日はトラックバックをありがとうございました。
わたしの新しい記事からもトラックバックをさせていただきました。
レビューで同じことを感じていらしてうれしくなりました。
この作品は本当にこれからが楽しみですよね。

ブログまで紹介して頂いてありがとうございます。
オタク丸出しなのでちょっと照れます(笑)
Posted by れいや at 2004年10月28日 00:02
TB歓迎です。ありがとうございます。

オタク丸出しなんですか?そうかぁ
そりゃ楽しみだ。

また伺います。
Posted by 映太郎 at 2004年10月28日 00:15
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ブラック・ジャック(10/25)
Excerpt: ブラック・ジャック(日本テレビ系) 「Karte:03 ひったくり犬」は原作でも好きな話だったので (切ない話なんですけどね)楽しみにしていました。 当日、新聞のテレビ覧を見ると「▽不可解予知能力!..
Weblog: † Sodom & Gomorrah †
Tracked: 2004-10-28 00:14
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