タイム・フォー・モーニング

2005年11月01日
 この夏以来、私は「百万」という数字が気に掛かって仕方がない。ある人々の人数なのだがどうも実感が湧かないので、身近な事柄に例えてみることにした。

 例えばジャニーズの握手会でもいいだろう。百万人のファンが一列に並び、1人のファンがたった1秒ずつ握手を許されたとしても、単純に百万秒掛かる計算になる。さて、百万秒とは一体どれほどの時間なのか。

1,000,000人×1秒=1,000,000秒
1,000,000秒÷60秒=16666.67分
16666.67分÷60分=277.78時間
277.78時間÷24時間=11.57日

 休憩時間を一切取らず、ぶっ通しきっかり1秒ずつ握手したとしても、11.57日掛かることになる。まぁタレントの八時間労働を厳守するとしても、この3倍掛かることになるから、34.72日、つまりは一ヶ月以上掛かるわけだ。そんな重労働、ジャニーズの事務所が許すだろうか。いや、トキオのメンバーならあり得るかも知れぬ。
 






 さて、例えをもう少し変えてみる。どうせならそんな過酷なファンサービスを本当にしてくれそうなトキオのメンバーをイメージして想像してみよう。

 例えばトキオのメンバーが、今度はファンの名前を一人ひとり呼び掛けてくれるとしたら、百万のファン全員の名前を呼び掛けるのに一体どれほど時間が掛かるのか。

 ちなみにファン一人の名前を読み上げるのに要する時間を約5秒と仮定し計算してみる。過酷な挑戦には慣れっこのトキオなので、休憩無しの24時間ぶっ通しぶっ続けでトライしてもらうこととする。

1,000,000人×5秒=5,000,000秒
5,000,000秒÷60秒=83333.33分
83333.33分÷60分=1388.89時間
1388.89時間÷24時間=57.87日

 一日24時間ぶっ通し、一切の休憩無しで八週間以上掛かる計算である。いくらトキオのメンバーでも過酷である。

 100万人の人の名前をすべて読み上げるには、一人につきたった5秒間でさえそれほどの時間を要するとは…。







 ニューヨークグラウンドゼロ。あの日あの場所で亡くなったすべての犠牲者の為に、彼らの名前をすべて読み上げるという話を聞いたことがある。

 人々を追悼する際、そこで同時に亡くなった人々を一緒くたに悼むのではなく、その人それぞれの死をそれぞれに悼む為に、何時間も掛けてすべての犠牲者の名前を読み上げるという。

 グラウンドゼロの追悼式で、すべての人の名前を読み上げるのに何時間掛かったかを私は知らない。だが、ゆっくりと、しかし最低限に、少なくとも5秒ほどの時間は要するのではないかと想像し、先の計算を試みる。9.11世界貿易センター崩壊の犠牲者は2749人である。

 2749人×5秒÷60秒÷60分=3.82時間…約3時間29分

 人の死を悼む為に、人はどれだけの時間を必要とするのか。どんなに制限されようと、その故人の名前を呼ぶ時間にも満たないなどということは考えられない。

 さて、この夏以来私が気に掛かっている「百万」という数字は、ある一つの見解によるアウシュビッツでの犠牲者の数である。…百万人。
 






 ところで、アウシュビッツ収容所での犠牲者数は様々な見解があり、その数もまちまちである。戦後60年のこの夏、NHKで放送されていた特集番組「アウシュビッツ」での見解がたしか約百万人ということで、私は「百万」という数字に拘った。だがよく調べてみると、調べれば調べるほどに判らなくなってくる。

 とはいえ、少なめの見解による犠牲者百万人という数字でさえ、悼むに及ばずその名を呼び掛けるだけでも、約二ヶ月近く掛かるのだ。ただその百万の名を呼ぶだけで…。
posted at 2005/11/01 09:41 | Comment(0) | TrackBack(0) | 雑題雑想
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