井の中の蛙 天へと登る

2004年10月15日
アマガエル
 お前も天が
  恋しいか

一句思い出した。
山中の民宿でバイトしていた頃詠んだ句である。忘れられないけど、書き留めて置こうと思う。

民宿のバイトは都会っ子の私にはかなりしんどく、仕事の合間はいつも大広間で寝転がっていた。
窓の下に寝そべって、ガラス越しによく空を見上げていたものだ。人生の道を見失い、自分の方向性を見定めるきっかけをと、何だかわからぬ何かを求めていた頃だ。なぜかしょっちゅう空を見ていた。

農作業を手伝いに来てくれていた年寄りは色々なことを教えてくれた。ことわざからトランプマジックまで、つくづく懐の深い人だと思った。何も責めなければ、何も強いることなく、所作はすべてがさりげない。
ある日その人が教えてくれた。

井の中の蛙 大海を知らず

「あれには続く言葉があるんだよ」

天の深さを知る

ある日、窓ガラスには一匹のアマガエルがいた。
親指の先ほどの小さなアマガエルが、ガラスの面を少しずつ登っている。

「君はいったいどこまで登りたいんだ?」

アマガエル
 お前も天が
  恋しいか

眺めているとなぜかそのアマガエルがやたらと愛しくなっていた。

いったいどこまで登れば、井の外にでられるのだろうか?
posted at 2004/10/15 03:02 | Comment(1) | TrackBack(0) | 備忘雑録
この記事へのコメント
この記事を読んで、思い出した映画があります。「深呼吸の必要」という日本の映画。去年くらいに公開したものですが。さとうきび畑の刈り入れの手伝いのバイトで集まった人達の話なんですが。バイトをしながら、やっぱり今後の方向性をそれぞれ考えていました。

Posted by minan at 2004年10月15日 03:12
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