幻のメニューとおぞましいメニュー

2004年10月12日
お昼前のひと時、なぜか料理を扱う番組やコーナーが多い。時計を見ると10時半ば、毎日のメニューに行詰まった主婦がほっと一息つく時間ってことか。

その中の一つ、NHK「生活ほっとモーニング」では、メニューというより主食であるごはんの炊き方を紹介していた。

「おいしいごはんが食べたい!」
(2004/10/12/10:05/NHK総合放映)
日本料理店店主野崎洋光氏が土鍋でのごはんの炊き方を分単位でやさしく指南する。

ボーイスカウトで飯盒炊きを覚え、バイトした民宿ではバカでかい一升釜をかまど炊きしていた私にとっても、プロのテクニックやちょっとしたコツが新鮮だった。

後半、野崎氏の今までの仕事を紹介する中では、幻のメニューなる料理を紹介していた。

五輪野球日本代表の料理を任されていた野崎さんがキューバ戦に臨む選手たちに用意したそのメニューは

牛と菜っ葉のたたき
ギューとなっのタタキ
キューバタタキ………

思わずニヤリとしてしまった。
その昔世のお母さんたちが皆作ったビフテキにトンカツ。テキにカツ。洒落と言えば洒落、ダジャレと言えばダジャレ、願掛け、縁起…。祈る人には、なんでもいい。選手を想っての形なのだから。

ところで、民宿での飯炊きには忘れられない思い出がある。やっと忘れられたのに、また思い出してしまった。ここに謹んで懺悔する。

民宿の厨房とかまどは離れていた。ある日、昼食のご飯を炊き終えた私は厨房への廊下で滑ってしまった。炊きあがったご飯は廊下に広がり、空になった大釜はガランゴロンと転がる。思わず周りを見渡した。誰も見ていない。もうれつに熱いご飯を素手でかき集め厨房に戻った。
呆然とする私に、バイトの先輩はニヤリと笑って言った。
「メニュー変更、
今日のメニューは
チャーハンです。」


実はその日の客は、何かのワークショップの参加者だった。転がる釜が大音響を響かせた廊下に面した部屋でミーティングをしていたのだ。多分聞こえているはずの大きな音と変更メニューのチャーハンは結びついただろうか。…本当にごめんなさい。

かまどの外に広がる稲穂には、風の道が現れては消えていた。サウナのような暑さをふと忘れさせてくれた。はじめて見た一瞬の風の足跡。その風景は忘れない。
風の道は見えますか?
今になっては遠い夏のひとつの思い出。
posted at 2004/10/12 14:52 | Comment(0) | TrackBack(0) | 雑題雑想
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