金木犀の馨香

2004年10月06日
雨に濡れるキンモクセイ雨の日曜日、甘い香りに傘をあげるとキンモクセイが咲いていた。

人がみな傘を差し、下を向いて歩いているのを嘆いているかのように、その甘く爽やかな香りは必死に存在を主張していた

かなり以前のこと、金木犀が香る道でお母さんと子供の会話を耳にした。甘い香りに気が付いた子供はお母さんに言った。


子供:
『お母さ〜ん、


トイレの臭いがするよ〜』



母親:
『…』


においに関してのニュースがあった。
2004年ノーベル生理学・医学賞を米国の二人の学者が受賞したという。なんでも、人間が嗅いだにおいを後に思い出すにおいの記憶のシステムを解明したらしい。

前段に書いた子供のにおいの記憶棚の、甘い香りの引き出しの一番底には、トイレの芳香剤「キンモクセイの香り」がファイル保存されているのだろう。

ジョン・レノンは息子の初めての体験に、本物にこだわっていたと聞いた事がある。動物園のライオンを見た子供に、ブラウン管のライオンを思い出して欲しくなかったのだろう。動物園のライオンが本物かどうかはまた別の問題だが。

においに限らず、幼い頃の経験やその順序というものは、その後の人生に大きく影響を残す。情緒、感情、嗜好、理想、そしてその人らしさ、それらはすべて記憶を元にしてると思えるからだ。記憶こそが、その人そのものと私は思う。

かく言う私は、我が家の裏庭を思い出す。
冷たくなったサクラ文鳥を泣きながら埋めた裏庭に、キンモクセイが一本立っていた。


以下追記/2004/10/15

馨香の
 遺骸残せし
  金木犀

ブログ「TSUNAMI
記事「キンモクセイ 散る」内コメント
posted at 2004/10/06 12:12 | Comment(3) | TrackBack(1) | 風景雑感
この記事へのコメント
うちは、トイレの芳香剤にキンモクセイの香を使っていなかったのか、トイレの香=キンモクセイではありません。キンモクセイの香がすると秋だなぁと感じます。香も好きですが、小さい花が集まってる感じも好きです。
Posted by minan at 2004年10月07日 03:04
キンモクセイ…本当に儚いですね。
雨に散る瞬間に出会えたことに感謝です。
ご訪問いただきありがとうございました。
Posted by つなみ at 2004年10月08日 20:15
キンモクセイ。
青空の下の甘い香りと、それの儚く散る瞬間。
両方出会えた『今年』の秋に感謝です。
コメントありがとうございましたm(_ _)m
Posted by つなみ at 2004年10月08日 20:28
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キンモクセイ 散る
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