原発不信感は想定範囲外?!

2005年08月18日
 想定範囲―なにやら懐かしい響きではあるが、状況は堀江貴文氏の手に負えるものではない。

≪女川原発、想定超える揺れ測定≫
 東北電力は17日、「8・16宮城地震」で自動停止した女川原発(宮城県女川町、石巻市)で揺れの指標となる加速度が最大で251.2ガルを記録、過去の地震から想定した「設計用最強地震動」の250ガルを超えたことから、同原発の保安規定に基づいて原子炉格納容器や非常用炉心冷却系統などの健全性の確認作業を行う、と発表した。
(Yahoo/河北新報 05/08/17 15:04)

 この春メディアを騒がせた堀江社長ことホリえもん氏のように、ナンでもカンでも“想定範囲内”ですからと言い切るのもどうかと思うが、あまりにあっけらかんと“想定範囲外”でしたと言い切られるのも、どうかと思う。

 イヤミな侍はどこかで唄う…。
 
 ♪私たちの不信感は
   あんたたちの想定範囲を
    とうの昔に超えてますから〜! 残念!!

 で、イヤミ侍は今、一体何処にいるのか…。



 それにしても、そんな簡単に想定範囲を超えてしまって、本当に大丈夫なのだろうか。そんな想定範囲、それじゃ想定になってないだろ。

 とはいえ記事をよく読むと、今回の地震であっけなく破られた≪過去の地震から想定した「設計用最強地震動」の250ガル≫という数値のさらに上に、≪安全機能が保持できる想定値の「設計用限界地震動」の加速度375ガル≫という数値が想定されているとある。

 頼りの城壁は、もう一つしか残っていないってことか…。

 東北電力は、―その設計用限界地震動の加速度数値375ガルを想定して設計しているので、安全上の問題はない―と説明しているという。

 だがそれは、想定値の算出法を信用し、設計を信用し、その設計に基づいた施工を信用し、さらに完成したとしてその発電所を管理する管理者を信用しての話である。

 誠に失礼ながら、私にはどれ一つとして信用できない。ネジ一本の設計すら信用できないのに、まだ想定限界値はこえてませんからと言われたところで、ああそうですかといえるわけはない。



 ネジの設計といえば、映画の中でもそんな話があったが、たしかあの物語のきっかけも地震だったな。
 
 映画「チャイナ・シンドローム」の中で、原子力発電所制御室の一人の技師が、小さな地震をきっかけにふと設計上の不正を発見する。彼は親会社にその事実を突きつけるが聞き入れられず、思い余って制御室を乗っ取る。

チャイナ・シンドロームチャイナ・シンドローム
(1979/アメリカ)

監督 ジェイムズ・ブリッジズ
出演 ジャック・レモン
   マイケル・ダグラス
   ジェーン・フォンダ

 中継カメラの背後に拡がる社会に向け、彼は不正の存在を暴こうとするが、その最中ついに警官隊が突入し…。

 ストイックなほど生真面目で、哀れなほど馬鹿正直で気難しい技師を、「酒とバラの日々」のジャック・レモンが演じていた。

 ちなみにチャイナ・シンドロームとは、―もし原子炉が剥き出しになったとしたら、地球の裏側のチャイナにまでも沈み続ける―という意味合いだったと思う。

 物語の中の彼は、命を張って親会社の設計上の不正を社会に暴こうとしていたが、まさか命を張れとは言わないが、それほどの意気込みだけでも持ち合わせた人が、我が国の原子力発電所に携わる人々の中に、一人くらいはいるだろうか。



 イヤミな侍が、どこかに隠れたまま、こっそりと再び唄う。

 ♪あんた達が命を張るのは
   どうせ隠蔽工作くらいだろうと
    とうの前から思ってますから〜! 残念!!

 で、イヤミ侍はまさか、アメリカにでも行っているのか…。

 まぁギター侍はともかく、私は日本の原子力発電所に一句捧げる事とする。

 原発の
  不信は想定範囲外



 もう何ヶ月も前の記事にも一度書いたが、あえて繰り返して吐いてみる。

水蒸気一つまともに管理できない人間に、

 原子力がまともに管理できるとは思えん!


 祖国の原子力政策を信用できない人間は、ドイツにでも移住するしかないとかねがね思っていたが、航空会社さえ信用できん現在、この国と心中するしかなさそうである。

 まったく…。どうすりゃいいのだ。
posted at 2005/08/18 08:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 報道批評
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