「動くか否か」のくどい質問

2005年08月09日
 女性は上司を突き飛ばしタクシーに飛び乗ると、おもむろに行き先を告げた。

[ポスター] Ocean Palm [PH-0180]「海まで…」

 そんなコピーがありましたな。
 


 かつて仕事仲間が先物取引に手を出し、惨憺たる状況を見たことがある。甘い言葉を語り続ける担当者は、毎日欠かさず電話をしてきては、「どうします? 動きます?」と、何かの取次ぎを勧めていた。

 表と裏だったか、先物商品には攻め方とか戦法とかいうように、どうやら買い方が二通りあるらしかった。そしてその攻め方をどうするかと、担当者は毎日せっせと電話してきては確認していた。仕事中しょっちゅう電話が鳴り、彼はその度に仕事の手を止め悩んでいたのを記憶している。
 株で言えば、こっちの株を見限りあっちに乗り換えるなどという話だったらしいのだが、先物の場合は同じ商品でも二通りあるらしく、担当者は色々な情報で客を惑わしてはその都度「動きますか?」と尋ねてくるのだ。

 冷静に考えると、顧客が儲かろうと損しようと、彼らには手数料が入る。客が動けば動くほど手数料だけで儲かるらしい。



 物が動けば金が動き、経済はそれだけ活性化するとは聞いたことがあるけれど、どこかの企業にとっては人が動いただけでも儲かるらしく、電話なんてちんけな手段は使わず、テレビの中から甘い言葉を投げかける。

 「動きます?」

 誘惑は尽きそうもないが、あの派遣会社のTV広告のお陰で、チャイコフスキー弦楽セレナーデの何とも言えぬ物悲しさが、まったく違った意味での“なんとも言えない物悲しさ”になってしまった。もったいないことである。
posted at 2005/08/09 11:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | 広告批評
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