向田邦子を求め行間を彷徨う

2005年07月13日
太田光がやっとなのか、田中と離れ一人で仕事をしていた。だがそれは意外な番組だった。

NHKテキスト≪私のこだわり人物伝≫―太田光/向田邦子―NHK教育
―知るを楽しむ―
≪私のこだわり人物伝≫
〜太田光/向田邦子〜

脚本家も目指したという太田光が、彼が長年敬愛する向田邦子を取り上げ掘り下げ持ち上げる。その番組の中で、ちょっと寂しげな太田光は真剣に語っていた。
 
以前爆笑問題の番組に秋元康が出演していた。どっちがゲストだか判らなくなるほど爆笑の二人をいじった秋元は二人に提案をする。「君らはそろそろ別々に仕事したほうがいいよ」と一人立ちの勧めだったのだが、それはほとんど太田光への勧めだった。田中が笑い、太田も笑い、秋元も笑う。みな寂しがり屋の太田の性格を熟知しているようだった。

さてその秋元の提案を受け入れての仕事なのかは知らない。だが、彼のピンの仕事っぷりを見るのは初めてである。ホンジャマカのようなコンビになれたら、この二人もっともっと面白くなりそうである。



少しだけズレているものの、同時期同世代に向田ドラマを観て育った世代らしい。活字に疎い私が彼女の情報を映像から得たように、彼の分析もNHKのライブラリーを中心に展開する。

で、その番組で真剣に語る太田の分析はそれなりに面白いのだが、私は第一回で紹介された彼女の一枚の写真に引っ掛かってしまった。やば…。

この記事の冒頭に貼ったNHKテキストの表紙の写真。どこか宝塚歌劇団の卒業写真のようなキリッとした顔立ち。若く凛々しく、微かに鋭い視線の顔。

彼女の顔は知っていた。脚本家として脚光を浴びていた頃の彼女の顔は何度も見たことがあった。だが、こんな写真は初めてである。やば…。ちょっとやばい。

他にも若い頃の写真はないものかと検索してみた。

向田邦子の青春
―写真とエッセイで綴る姉の素顔―
向田和子 著
向田邦子の青春―写真とエッセイで綴る姉の素顔―向田 和子 著

和子氏には申し訳ないが、和子氏の本が欲しくなってきた。

「和子さん、ごめんなさい。
  でも…、お姉さん綺麗ですよね。とっても」

中学高校と通っていた英語塾の先生が教えてくれたあるランクを思い出した。

佳人、麗人、シャン、美人、…。その英語の先生も結構美人だったが、なぜか授業中よくこれを口にしていた。その先はあまり覚えていない。並とかブスとか言っていたが、高校生の私には最初の三つの表現がやけに頭にこびりついた。佳人とは…、麗人って…、一体どんな女性なんだろうかと。

そんなランクはずっと忘れていたし、それほどの表現を必要とする状況にも巡り合ったことはなかった。今までは…。



映画「ある日どこかで」の中で、クリストファー・リーブ演じた脚本家の気分をふと想像してみる。彼があのホテルの史料館であの写真を見た時どんな気持ちだったのかを。そしてその人が遠い過去と知った瞬間、一体どんな気持ちだったのかを。

ある日どこかである日どこかで

主人公の脚本家は執筆が行き詰まり旅に出る。ふと立ち寄った湖畔のホテルの史料館で、彼は一枚の女性の写真を見つけ…。

映画の中で、主人公の脚本家はその人在りし日々を求め特別な旅に出るが、今私は彼女の残した「夜中の薔薇」の行間にその姿を求めている。あの飛行機事故の一報を耳にした時、無造作に聞き流した自分が悲しい。

そのうち、もし台湾に旅行したくなったら、かなりやばいかも知れない。
posted at 2005/07/13 05:16 | Comment(1) | TrackBack(0) | 放送批評
この記事へのコメント
太田光の向田邦子を熱く語る姿を見て驚いた。そう、太田の又別の一面を覗いた気がしたからだ。妹の和子の書いた邦子の恋人の話、なんだか邦子にあのような恋人がいたことに後に救われた気持になった。
Posted by バジル at 2006年04月02日 17:24
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