執着あってこその人間こそ…

2005年07月09日
たまにザッピング中に引っ掛かるとちょっとだけ見てしまうのだが、毎回その相談内容は第三者にも重過ぎて、結局最後まではあまり見ない。

テレビ東京「えぐら開運堂」
スピリチュアル・カウンセラー江原啓之氏が悩みに悩む女性たちのカウンセリングをしてくれる。

出演には謝礼の他に、エステメニュー3万円分体験エステ券と美肌をつくるイオン導入器・イオンスキンピュアが貰えるという。
サイト⇒リンク

ちょっとだけ覗いた赤の他人の相談はあまりに世間離れしていて、どこか他の世界の話を聞いているようだった。話を聞く江原啓之氏もどこかあの世を見るような目付きをしている。
 
考えてみればこの番組、メインパーソナリティーである江原氏の肩書きはスピリチュアル・カウンセラーとある。その仕事の内容は一時期かなりハマった宜保愛子氏と変わらないようだ。他の世界の話であっても不思議はない。



とはいえ昨日の放送、あまりに自分勝手な相談内容に江原氏は静かな態度ながら密かにキレているように見えた。江原氏に前もって話を聞く司会の名倉はその話の内容がまったく見えず何度も何度も聞き返す。長いCMが続き番組はいつのまにか終わってしまったのかと思い始めた頃、たっぷりともったいぶって江原氏は語り始めた。

「あなたのような相談内容なら、スピリチュアルな意見を私が誰か(たぶん“マスター”的な存在のことだと思うが)に尋ねなくてもどこかの占いで十分でしょう」。正確な言葉を覚えていないので他の占い師の方々に誤解をされてもこまるのだが、そこいらの占いでも…という雰囲気はたしかに含まれていた気がする。それは占い師というより、雑誌の占いでも十分じゃないですか?…といった投げ槍な口調でもあった。

だがそこは優しい江原氏。すかさずちょっとだけフォローしていた。

「旦那がどうのという以前に、家族というものがどういうものかを考えなさい。喧嘩するほど仲が良いと言うでしょう。執着があるから喧嘩するんですよ。」

江原氏も見捨てかけた相談者の相談内容はどうでもよいが、その“執着”という言葉にちょっとだけ納得してしまった。でも、こんなサジェスチョンなら江原氏でなくとも言いそうである。スピリチュアル・カウンセラー江原啓之、そう思えたからキレちゃったのかも知れない。



それはともかく、人は執着があるからこそ人と諍う。執着の無い相手などには何も求めず、何も期待しないから諍いにもならない。食べる意欲もわかないラーメンになど指を入れられたって誰も文句を言わないのだ。家族をラーメンに例えること自体、私の家族観を疑われそうだが、そういうモンである。

かつて宜保愛子氏の特番に熱心に耳を傾けていた私には、この江原啓之氏の言葉にもどうやら反応しやすいようである。

話がそれるが、あの頃どんどんエスカレートする企画の一つで、宜保愛子氏はピラミッドにまで足を運んでいた。だが、何と言ったか、王の間だったか、その特別な部屋にだけは足を踏み入れない宜保氏が不思議だった。

ナポレオンが自分の未来を一瞬に見たというそのピラミッド奥の一室。自分自身の“マスター”的な存在に入るなと言われたとか何とか言っていた彼女の表情はあまり明るくなかった。

同様の番組を日々エスカレートさせている江原啓之氏をピラミッドまでお連れする企画はないのだろうか。テレビ東京にちょっと期待している。



“執着”からたっぷりそれてしまった。話題を“執着”に執着しなおす。

そういえば先の記事に取り上げた映画「ターミナル」の主人公を思い出す。あのストーリーにしたって、主人公が一つの缶に執着するからこそ物語は生まれた。

主人公はニューヨークに拘り、ピーナッツ缶の中身に拘り、缶の中身に拘った父親の拘りに拘り、それらの拘りに拘り続ける。

その拘りは他の映画や小説にしたって同様である。人の執着心があってこそ、小説より奇異な現実だろうが現実より奇異な小説だろうが、人の拘り、人の執着を垣間見て人のその人らしさを知り、人間の人間らしさを知る。

人は物語の中の人物の執着心を見て、時に自分と同様の執着心に頷き、時に自分の想像もしなかった執着心になるほどと感嘆する。

それが同じだとしても、まったく異なっていたとしても、人はそれらを見て安心するのだ。

いつのまにか江原氏の言う執着という言葉といささかズレてしまった。こういうのを拘りのない文章というのだろうか。とりとめもない記事ともいう。私は文章には拘ってはいない。拘っているのは私の拘りだけである。

とにかく、
「人間ゆえに人は執着し、執着あってまたさらに人は人間臭くなる」ってか?
posted at 2005/07/09 06:27 | Comment(0) | TrackBack(0) | 放送批評
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