進化の歴史にブログを重ねる

2005年06月25日
膨大なビデオライブラリーを現在必死に整理している。録画日を記録し、最終的には年代別ジャンル別にナンバリングするつもりなのだが、中にはいつのモノだかさっぱりな番組も多い。そんな時にネット検索が重宝している。

番組表が残っている場合もあれば、純粋な記録として詳細を保存しているサイトや、「今日TVで“ホニャララ”を見て感動しました!」なんて日記などを見つけたりと、ネット検索の一つの便利さを実感している。

だが、何らかの情報が存在して喜ぶうちはまだましである。データが多すぎ、また余計な情報が鬱陶しいほどに出しゃ張っているリストが表示されると苦労は数倍に膨張する。

まったく…、
“検索もハサミも使いようである。”である。
 


キーワードは、“NHKスペシャル地球大進化46億年人類への旅”だった。意外と最近録画したこの番組が、正確にはいつの放送だったかを調べていた。

いやいや出るは出るは次から次へと…。そこへずらっと並んだのはほとんどが関連DVDや関連書籍の紹介サイトだった。始めは一つずつ丁寧に確認していたものの、いいかげん面倒くさくなって諦めた。まぁ揃いも揃ってみなアマゾンアソシエイトや各種アフィリエイト紹介サイトである。パッケージ画像に商品名と構成はあまり変わりがない。

データとしてのサイト探しを諦め、結局私はそのちょっとだけ古いNHKの番組をじっくり見始めた。ふと、その番組の内容がみるみる蘇り、先の検索リストにおける“ある皮肉な構図”が頭に浮かんだ。

進化のプロセスと、その時代時代における幾万の種と種の戦いにおいて、淘汰の果てに世界を制し世界の頂点にたどり着いた“種”は、やがて必ず滅びるという。

その世界に敵が居なくなった瞬間、その種の進化は失速し適応能力が衰退するらしい。同時に、影に控えていた“二番手”が突如現われその席を奪うのである。その番組はたしかそんな内容だった。かつて恐竜がそうであったように、今現在頂点に君臨する人間さえも、やがては同じ道を歩むことになるだろうといった結論だった。

ふと北米市場で快進撃を続けるトヨタの方向転換の報道を思い出した。明らかに米国製車をブッチ切り、北米市場を席巻しているトヨタは価格設定を見直し売れなくするために値上げを考えているといった内容だった。

このまま一人勝ちで躍進を続けていれば、かつての“日本車を目の敵にしたあの悪夢の氷河期”が再び到来するだろうという不安を現実的に回避する方法を思案しているらしい。ハンディキャップを自ら進んで被るという姿勢は、資本主義社会の一企業としてはあまりに理や利に反している。しかし、ハンマーで叩き潰され米国内で絶滅の道を辿るよりはマシという考え方なのだろう。

あらゆる二番手を席巻してきた日本企業にとって、あらたな時代が到来しているのかも知れない。一番手の不安と恐怖を、トヨタはたった今垣間見ているのだろうか。



さて、検索リストの中でもどうやら戦いが繰り広げられている。キーワードは、“検索に引っ掛かりやすいブログ”の特性である。

検索に引っ掛かりやすいブログシステムというものが、検索システムにおいての進化の頂点に、そして検索リストの上位にたどり着いているとすれば、実は淘汰や排除の対象となり衰退の道に迷い込む可能性が密かに生じているのではないかと思えてくる。

検索リストにブログ関連サイトがあまりに出しゃ張りすぎると、やがて検索システムや他の“種”族のシステムたちは、それらを避ける手段を講じるように形を変容し始めるだろう。

まぁ実際、“検索に引っ掛かりやすいブログ”の特性とその恩恵をたっぷり享受してきたものの、ある日突然、ブログが検索に引っ掛かり難くなっても、私にとってはさほどショックなことではない。

正直言えば、小規模なオフィシャルサイトなどを捜し求める際には、今よりはずっと便利になるかも知れない。別枠で表示されるような大スポンサー的なサイトならまだしも、ファンクラブや非営利団体などのような公式サイトは、あまりに目立たず控えめで、すぐにリストの沼の底知れぬ奥底に沈んでしまうものだ。鬱憤を書き連ね、儲かりもしないアソシエイトを並べた、このサイトのようなブログの記事リストの中で、すっかり埋もれている。



では、彼の進化の歴史を生き残った二番手のように、この先颯爽と登場するのはいかなる“種”のシステムなのか。システムに疎い人間は想像すら試みないが、その構図から考えれば自ずと方向性の持つ漠然とした方向性くらいは見えてくる。

現在、それが世界のすべてであるかのような検索リストの行間で、肩身の狭い思いを強いられている者。そしてその世界で一番手が独占しつつある恩恵を、一番手より下に位置しながら少ないながらも効率よく吸収しつつ耐え忍ぶ者。さらに、淘汰の過程の中で人類が得てきたような“偶然”を味方にできる者。

…で、それがどんなシステムかって?
それが具体的に想像できるくらいなら苦労はしない。

肌をくすぐる風の流れがどちらに向っているかが判ったところで、その風がその先の地でどんな樹木をどう揺らすかなど、世界最大のコンピュータを星の数ほど集めてたって見出すことはできない。

ただ、その方向へちょっとだけ歩み出し、その風によって揺らされるかも知れないだろう樹林を見つけることぐらいはできるかも知れない。樹林がみつかれば、一本の樹木もその中にあるはずである。

それこそが、発明家と呼ばれる人々の多くが彷徨い歩いた原生林と言えるかも知れないのだし…。



ところで、46億年前のことを人々に教え大好評を博した「NHKスペシャル地球大進化46億年人類への旅」という番組が一体いつ放送されたのかは、結局誰も教えてくれなかった。皮肉なものである。46億年も前の情報とたった数ヶ月前の情報を比較して、その情報量はたいして変わらない。

一体インターネットとはいかなるツールなのかと腹立たしく思い始めた時、自分の言葉がふと蘇り私をいじめる。

「“検索もハサミも使いようである。”である。」である。
まったく…、ネットに唾を吐くのは、天に唾を吐くようなものだった。ネットはそれほど、天を覆いつつあるということか。二番手どころか、最終ランナーにもなれそうにない。
posted at 2005/06/25 19:48 | Comment(0) | TrackBack(0) | 電脳批評
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