狼たちの「F●CK」の意味

2005年06月03日
中学時代、駅のホームに貼られたどでかいポスターにふと何かを感じ、半ば義務感に駆られたように劇場へ行った覚えがある。その懐かしい映画をBSで放送していた。

狼たちの午後狼たちの午後

主演のアル・パチーノもさることながら、今は亡きジョン・カザールの繊細な演技が印象的で忘れられない

懐かしいのは映画だけではない。その映画で耳にした“ある4文字の特別な言葉”の意味を、何の疑いも持たずに英語の先生に尋ねた、若き自分の恥ずかしさである。

「先生、昨日“狼たちの午後”って映画を観たんですが、
“FU●K”ってどういう意味ですか?」
 
一瞬の沈黙の後、先生は真面目に答えてくれた。
 
「“FUC●”?…。“F●CK”ですかぁ…。“FU●K”というのはですねぇ…、えぇ…、その〜…、まぁいわゆる性的な侮辱でしょうかねぇ…。相手に対する性的な侮辱を意味する言葉とでも言いましょうか…」

先生はある意味正しかった。
“FU●K”という言葉、性的行動を表す動詞としても意味は確かに存在するのだが、単に相手を罵る際にも使われる。映画の中ではまさしくその後者、つまりは性的な動詞としての意味ではなく、漠然とした侮辱や罵声として使われていた。

まぁどちらにしろまったく可哀相なことをしてしまったことには変わりない。その先生はよりによって、授業中もまったくジョークを言わないようなお堅い先生だったのだ。下ネタなどもっての他ってお方である。いじめるつもりもからかうつもりもなかったのだが、結果的にはすっかり困らせていた。



とこおろであの頃、私の映画鑑賞というモノはそのほとんどが米国映画だった。「ポセイドン・アドベンチャー」を観てはジーン・ハックマンに憧れ、「大地震」を観てはチャールトン・ヘストンに憧れる。それはそれで至って自然なことだったが、その影ではいつのまにかアメリカナイズドされた価値観に洗脳されていった。そのせいで英語もしくは米語に興味を持ったのも自然なことだった気がする。

恋愛映画を観ては口説き文句を覚え、アクション映画を観ては屈辱的な罵声を覚えるなんて、良くも悪くもアメリカナイズドされていたが、残念ながら映画を見るだけではオツムの中の中までは英語は浸透しなかった。ペラペラ会話ができるほどには結局ならずに成人してしまったので、覚えているのが罵声ばかりというのも今となってはいたく悲しい。



それにしても、今の中学生はもうあんな“お馬鹿な質問”を英語の先生にはしないのだろう。英語の堅物先生の代わりに、インターネットがいくらでも教えてくれる。

インターネットで“怪しい言葉”を目にしこっそり興味を持ったところで、その“怪しい言葉”のさらに“怪しい意味”を詳しく解説しながら教えてくれる極めて“怪しいサイト”なんていくらでも存在する。まったく便利な世の中になったと同時に、子供を持つ心配性の親たちにとってある意味これほどやっかいでお節介なツールもないだろう。

かつて、米国産の映画は英語の勉強をする者には最高の教材だった。それが今、米国産のツールから溢れ出る米国産の情報は、英語の勉強をする者にも、また色々怪しいことを勉強する者にも、それはそれは最高の教材と言える。



P.S…
アメリカに留学した友人と作ったどうしようもない替え歌をふと思い出した。一斉を風靡した「ヒューイ&ニュース」の曲である。

 KI●S MY A●S♪
 S●CK MY DI●K♪
 OVER AND OVER♪

 K●SS MY AS●♪
 SU●K MY D●CK♪
 OVER AND OVER♪

この伏せ字ばかりの歌詞で原曲と替え歌の双方をイメージできる人は、かなりのペラペラスピーカーかも知れない。たしか元はこんな感じだったか…。

 STEP BY STEP♪
 ONE BY ONE♪
 OVER AND OVER♪

懐かしくも恥ずかしい思い出である。
posted at 2005/06/03 06:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | 映像批評
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