世の中?が多くて疲れます!

2005年05月27日
忘れられないCMというモノがいくつもある。中学の頃にはすでにCMを映像作品としてみていたせいか、70年代後半以降些細な公共広告から話題のCMまで、私は私なりの名作傑作CMたちを脳裏に蓄積してきた。

この迷台詞の幻のCMもその一つである。


 世の中
  馬鹿が多くて 疲れません?

エーザイ
チョコラBB TV-CM
出演 桃井かおり
エーザイ株式会社サイト「チョコラドットコム」⇒リンク

このコピー、あまりに辛辣かつ自意識過剰な意味ゆえか、批評記事にするのもはばかるほど微妙で封印してきたが、ふと昨日の森岡政務官発言を知り、むしょうに取り上げたくなった。
 


森岡政務官のかくも恐ろしい“何を今さら的お言葉”。

「極東国際軍事裁判は、平和や人道に対する罪を勝手に占領軍が作った一方的な裁判だ。」

「A級戦犯はもう罪人でない」
〜自民代議士会で森岡政務官〜

森岡正宏厚生労働政務官は26日の自民党代議士会で、小泉首相の靖国神社参拝を「大変良いことだ」と支持する考えを示したうえで、「極東国際軍事裁判は、平和や人道に対する罪を勝手に占領軍が作った一方的な裁判だ。A級戦犯の遺族には年金をもらっていただいており、日本国内ではその人たち(A級戦犯)はもう罪人ではない」と述べた。
(アサヒ.コム/2005/05/26/20:40)

あぁ…、まったくコメントするのもはばかる記事である。しかしそれにしても、60年も経っているのにいまだにこんなことを叫ぶ人間がいるとは驚きである。

だが驚きの発言内容には、実は同意できる部分もあるから微妙である。

森岡正宏政務官
「その人たち(A級戦犯)はもう罪人ではない」

先日放映された映画「グリーン・マイル」の中でも、同様同意の台詞があった。

死刑が執行され罪を償い終えたばかりの死刑囚の体を侮辱する若い担当官に、先輩が激怒して叫ぶ。

 「彼はもう罪を償ったんだ!
   もう罪人ではないんだぞ!」

だが、映画ではなく現実の日本の一人の政務官の言葉は若干意味が異なる。極東国際軍事裁判自体が戦勝国の一方的な裁きだったのだから、裁判自体不当であり、彼らは罪人ではないと言っている。

同意できると思えた言葉も、意味はまったく逆だった。そもそも裁判が不当といっているのだから、罪人という言葉を使っているその政務官の言葉自体矛盾している。まったく…。



 世の中
  馬鹿が多くて 疲れません?

ところでこのコピー、まさかと思うがご存知ない方の為にイキサツを加えると、出演の桃井かおりが世の中さも鬱陶しいという顔で吐き捨てるモノだった。

その桃井の台詞に思い当たった人々が過激に反応しクレームが殺到したため、やむなくボツとなり急遽放映中止になったのだ。

このCMが放映中止になっていながら、あの辛辣な暴言を吐き続けたビートたけしが脚光を浴びたこの国も、まったく不思議な国である。

名優桃井かおりのあまりの迫真の演技に、日本中のクレーマーがまさしく自分自身に言っているのかと錯覚したとでもいうことだろうか。



懐かしいCMの過激な反応に、あの一世を風靡した懐かしい番組の馬鹿馬鹿しいギャグを思い出す。今は亡き夏目雅子主演のオバケ番組「西遊記」である。

日テレ「西遊記」
放映 1978〜79年(現在一部で再放映中)
出演 三蔵法師 夏目雅子 
   孫悟空  堺正章   
   猪八戒  西田敏行〜左トン平  
   沙悟浄  岸部シロー  
音楽 ゴダイゴ

しつこく登場する様々な妖怪たちと孫悟空たちが、パターン化された戦いを毎回繰り広げる中、ある日の放送では堺演ずる孫悟空が、戦い前に相手を罵り挑発する。

これでもかっ!…と堺が、いや孫悟空がある罵声を吐く。

 「この豚野郎〜!」(いや“デブ”だったかな…)

するとその言葉に誰かがバタっと倒れる。カメラが引くと、そこには西田敏行ならぬ猪八戒が倒れていた。

思いもよらぬところに思いも寄らぬ反応が巻き起こると、思いもよらぬ影響が残るものだ。



あぁそれにしても、今までどれだけのCMが過激な反応を恐れてボツになり、思わぬ反応におののき放映中止になったことか。

多くのボツCMたちは、今どこでどうしているのだろう。エーザイ株式会社のサイトを覗いても、そんなCMはまったく記憶にございませんって顔で、その後のCMを自慢気に並べている。猪八戒のごとくぶっ倒れよほど痛かったはずなのに、お顔の染みよろしくすっかり消し去ったらしい。

まっ、放映中止といえば、セフィーロCMとどっこいどっこいだろう。

昭和64年(1989年)1月7日昭和天皇は、はからずも先立った日産セフィーロTVCM井上陽水の「お元気ですか?」篇の後を追い崩御された。

井上陽水のねっとりとした台詞「お元ん気ですか〜?」が、たった一度で耳にねっとりとこびり付く名作CM。

そのねっとりとした「お元気ですか〜?」という言葉が、臥せっていた昭和天皇をイメージさせ、にも関わらずそのいやらしい彼の言い回しが半ば茶化しているように思えるかもと、日産はさっさと自ら放映中止してしまった。あの頃の影の流行語大賞は、まさしく「自粛」であったろう。



そして昨今、流行語大賞は数々あれど、一つ影の流行語が存在する。

 空気を読む

ならば映太郎があの名作CMのコピーを現代風に書き換えてしんぜよう。


 世の中
  空気読めない人多くて 疲れません?

映太郎

ふむ、名コピーである。オリジナルが良いのか、訂正者が良いのかはコメントしないが、これなら誰もが納得できるはず。エーザイさん、このバージョンで復刻CMとして再放映すれば、CM好きのブロガーの間で話題になること間違いなしですよ!
posted at 2005/05/27 21:58 | Comment(0) | TrackBack(1) | 広告批評
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「最早罪人では無い」、正解です。
Excerpt: 森岡政務官のA級戦犯「もう罪人ではない」発言に反発この発言のどこに問題があるんでしょう?昭和二十七年十二月九日に衆議院で可決された「戦争犯罪による受刑者の釈放等に関する決議」によって国内法的には「戦争..
Weblog: そして僕はぼやき続ける(BLOG)
Tracked: 2005-05-27 22:31
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