英語より日本語が喋れナイト

2005年05月18日
最近のNHK深夜帯は再放送番組のオンパレードである。とはいえこの再放送の早さ多さしつこさはNHKの良さの一つでもある。「くどさ」「しつこさ」も、時にはありがたいというもの。まぁ裏返してしまえば、チャンネル多様化に追いつかない番組ソース供給元の苦しい現状を、最も端的に表している番組編成とも言える。寝苦しい深夜ふとそんなNHKを点けると、英語でしゃべらナイトを再放送していた。

 NHK「英語でしゃべらナイト」サイト⇒リンク
ゲスト…工藤夕貴、NHK松本和也アナ、パックンマックンのパトリック・ハーラン、釈由美子、ナレーション…ジョン・カビラ

あの松田聖子も成し得なかったアメリカ進出をあっけらかんと成功させた“元祖天然ボケ元アイドル在米日本女性担当女優…工藤夕貴が、アメリカでの英語苦労話を披露する。

実際そんな肩書きは紹介されなかった工藤夕貴が、「R」発音オンパレードの発音練習用文章を紹介していた。
 
 Barbra's large apartment
 at Harvard was near the
 garage of her father's market.

どうみてもNHKのアナウンサーとは思えない天然アナ松本和也氏が一気に早口で読上げると、「これは早口言葉ではありませんから…」と工藤夕貴が突っ込む。傍らでは英語が得意なパックンは呆れ、英語が苦手なのか台本が白紙なのか、なぜかあまり口を挟まない寡黙な釈由美子が凍っている。天からの声、サッカーカブレのカビラとは一味違う兄のジョン・カビラもコーナーの最中は何も言わず見守るのみ…。


 
出演者への皮肉は別にしてこの文章、「R」発音に癖が強い特定の人々の為のように思える。巻き舌で「R」を強調しがちなお国の人々を対象にしているのだろう。

さしずめこれを「R」と「L」、「B」と「V」、「F」と「H」の区別が苦手な日本人向けに作り変えるなら、また違った内容になるだろう。かつて散々練習させられた「vocabulary(語彙)」を集めたような文章になるのだろうが、例えに挙げるほどの「vocabulary(語彙)」が私にはない。まぁそれ以前に、それら六つの子音の発音にも自信がない。

そもそも日本人がそれらの子音の発音が苦手なのは、カタカナという音声表記の表現力が不十分なことによる結果ではないかと考えたことがある。「R」と「L」、「B」と「V」、「F」と「H」をカタカナ表記の段階でしっかりと区別し、子供たちにもその違いを早くから意識させていれば、大人になってからこんなに苦労していないのではと思っていた。

英語を習う前に、不完全なカタカナによる不完全なカタカナ外来語を覚えてしまうから、中学校あたりで習い始める初めての英語で苦労するのだ。カタカナ外来語で右もライト、光もライトと頭に入れてしまうから、すっかり身に付いた何年も後になっていきなり区別しろと言われても、頭の中ではすっかりグチャ混ぜになっているからどうしようもなくなってしまう。

もっとも苦労する「R」と「L」に関して、個人的にかつてから考えていた対処方法がある。ローマ字表記において「R」を使用する単語のラリルレロを以下のように表記する方法である。



右のRIGHTは ライト

光のLIGHTは ライト

これをウ・ラ・イ・トと発音してしまえば同じことなのだが、違いを意識させるだけでも今よりはマシではないかと考えている。

ちなみにこの方法、私が以前から個人的に考えていたものだが、どこぞの日本語審議委員会だか何だかの近辺機関でも同様の試案提案が存在するらしいが、一向に実現化されそうにない。

ところで、以前からよくこの手の話題になるとかならず冗談に発音していた名前がある。よくある女の子の名前である。

 えり

あなたはこの名前をローマ字で表記するならどう書くだろうか。決まって、

 ERI

となるはず。

この名前を三つのローマ字として考え、「R」をたっぷりと意識してから発音してみると、聞き慣れた日本語の呼び名とはどうもかけ離れたモノとなるから面白い。呼び慣れた女の子の名前も、エウリチャンとなる。

そう考えると、日本語の「らりるれろ」という音はどちらかと言えば「L」表記の方がしっくりくるのだ。そもそもそこが間違いの元ではないのか。「らりるれろ」のローマ字表記が「RaRiRuReRo」としたことが、間違いの始まりではないかと思えてくる。

「V」と「B」の区別の場合はどうだろうか。結構「ヴ」という表記が使われている。バイオリンという表記もあればヴァイオリンという表記も増えている。特に最近「V」を「ヴァ」と表記することが増えているのは、PCが普及しワープロ機能が浸透している証拠だろう。結局のところ、それを区別する手段が身近にあれば、人はその違いを意識し使い分け、さらにそれを目にする人々もがまた意識し使い分けを覚えていく。

ならば「R」と「L」にしたって、区別する方法手段が身近に存在すれば、人はそれを使うようになるのではないだろうか。

「H」と「F」はどうだろうか。「F」の表記は「ファフィ−フェフォ」と一応若干の区別はある。長音ではない「フゥ」という表記はあまり見たことがない。「FOOD(食べ物)」も「HOOD(ずきん)」も、区別するのはまだまだ難しそうである。



「ア"」なんて表記が発音できなくとも存在するのだから、カナ表記が少々新たに増えたところで、混乱するのは使い慣れた過去の人々だけである。これから覚えるだろう幼い日本人たちにさほどの違いはないだろう。まぁ渋谷辺りの女子高生のメールのカナ表記を見れば、新しい表記方法のヒントはいくらでもありそうだ。

しゃべらナイトでは、新しい言葉が異常な速度で増殖を続けるニューヨークにおいて、彼らニューヨーカーと言葉の関係を人種をキーワードに解説している。

様々な国々から人々が集まる「人種のルツボ」アメリカの中で、さらに最も多くの人種が混ざり合った場所ニューヨーク。出身地を区別する人種の違いだけでなく、様々な嗜好やスタイル、思考、志向をもつ人種が集まり接する場所ゆえに、その人々の接点ではお互いのスタイル同士の反発と融合により日々言葉が発生しているらしい。

ふむ、様々な地方出身者集まる「地方出身者のルツボ」東京の、さらにまた多くの若者が集まる渋谷や新宿などは、ニューヨークの言葉の構図とよく似ている。多くの新語造語や新珍表記が日々送出されるのも、同じ理由なのだろう。

日本語審議委員会のオブザーバーとして、渋谷109前に座る女子高生が召喚される日も近いかも知れない。日本語表現の創造力において、今最も進んでいる人種であることには間違いないだろうから…。



オカシイ…、英語をテーマに語り始めたのに、日本語審議委員会の話でオチている。まぁ英語塾の先生もよく言っていた。

日本語がちゃんと話せない人はね
 英語なんて勉強したってしょうがないのよ!

いい日本語表現が浮かばないと、よくそう叱られたものだ。
posted at 2005/05/18 05:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | 放送批評
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