そばのみち

2013年04月13日
 場に一旦意味が生じてしまうと、実は味などはどうでもよくなっていく。
 祖父をいつも連れていった喫茶店のブレンドコーヒー。子供をいつも連れていったファミレスのハンバーグステーキ。そして父の家へと出向いた日の帰り道、いつも母と立ち寄った県道沿いのあの蕎麦屋の天ぷら蕎麦。
 その条件が、その場のその食事に特別な味を添えてしまう。

 悲しいかな、その蕎麦屋を訪れる理由本人が他界してしまった今や、たとえそこに蕎麦屋がそのままあっても、たとえその蕎麦屋の天ぷら蕎麦がメニューにそのままあったとしても、その特別な場において食べるという機会の味は失われてしまうもの。その場でのあの味は永久に戻らない。


posted at 2013/04/13 20:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | 語部修行
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