ルドメの迷宮

2013年04月12日
 お気に入りのカフェにて、新しいルーズリーフを開いては万年筆を手に、私はぼーっと窓の外を眺めていた。ペンは一向に走らない。何かが浮かぶのをじっと待ってはみるものの、何も浮かんで来ずに時は過ぎ、ペン先はぴくりとも動かない。私は一体小説が書きたいのか、それともただ小説を書く人になりたいのかが判らなくなる。
 
 何も浮かばないのに必死に絞り出そうともがくのは、やはり単に小説を書く人になりたいだけなのだろうと思わざるを得なくなって、そんな自分が嫌になってはまた、何かを絞り出そうと必死にもがきはじめる。けれどやはり何も浮かばない。

 私はまた諦めては窓の外をいつしか眺めていた。通りを人々が楽しそうに行き交い、“楽しそう”なんて言葉がいつの間にか口癖になっている自分にふと気付いてはさらにそんな自分が嫌になる。

 ペンだけは裏切らないと思っていたのに、そのペンさえもが何も返事をしてくれず、途方もない孤独に苛まれる。際限のない“ル止め”。その延々と続く“ル止め”さえもう嫌になって、私はどうしようもなく気が狂いそうになってくる。脱出できない迷宮のように私はいつまでもいつまでも、“ル止め”の現実に囚われ、ル。


posted at 2013/04/12 06:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | 語部修行
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