小川洋子著『やさしい訴え』

2013年03月13日
 2013年3月13日、こんな本を読み終えた。

小川 洋子著『やさしい訴え』文藝春秋社/文春文庫/AMAZON



 
  やさしい訴え

 小川 洋子著
 文藝春秋社/文春文庫
 
 夫から逃れ、山あいの別荘に隠れ住む「わたし」が出会った二人。チェンバロ作りの男とその女弟子。深い森に『やさしい訴え』のひそやかな音色が流れる。挫折したピアニスト、酷いかたちで恋人を奪われた女、不実な夫に苦しむ人妻、三者の不思議な関係が織りなす、かぎりなくやさしく、ときに残酷な愛の物語。(作品紹介)


 初版発行日1996年12月10日。17年前の作品だったとは…。
 


 喪失、欠落、不在、……、  。

 何かを失う事、何かがなくなる事、そして何かがなくなっている事、さらには“何かが無い”という状態が今なり其処なりに在る事、つまりは不在の存在ともいうべきか、そんな喪失感が其処に、底にある。

 まるで、雪が降り積もった駐車場にぽっかりと黒く浮かび上がるアスファルトの陰影と真新しく白く降り積もりつつある雪を描く事によって、今其処にはない一台の車がかつて確かに存在していた事を表すかのように。

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posted at 2013/03/13 11:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍批評
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