中島 敦著『山月記』

2012年12月31日
 2012年12月31日、こんな本を読んだ。

山月記―中島 敦著/新潮社/新潮文庫/Kindle/AMAZON
 
  山月記

 中島 敦著
 Kindle価格0円

 青空文庫/Kindle/AMAZON
 底本『李陵・山月記』/新潮社/新潮文庫

 昭和初期に活躍したが惜しくも早世した小説家、中島敦の代表作とされる短編小説。1942(昭和17)年の「文學界」に、「文字渦」とともに「古譚」と総題して発表された。中国唐代の伝記「人虎伝」に基づき、詩に執心して、ついに虎に変身してしまった男のすさまじい宿命の姿を描いて、作者の自嘲と覚悟を語る作品。(作品紹介)


 Kindle価格:¥0-

 なにせ、Kindle価格0円だし。
 なにせ、それこそがKindle買った理由だし。
 


 それにしてもキンドルである。

 電子インクとやらの見映えにしても、頁捲りにしても、想像していたほどの違和感はなく読めるのだが、やはり質感の抵抗感は否めない。一冊の書物を手にしている感覚や、どの程度の厚みの本を読んでいて今どの辺りに差し掛かっているのかだとか、そういった“書物”の手触り、手応え、メンタルでの重みだとか、そういったモノが一切なく不安に陥る。

 まぁそんなモノは書の本質には真の意味ではまったく関係ないとは頭では十分理解していても、やはり途轍もない不安に襲われる。

 携帯電話がなかった時代を知らない世代が、我々世代が共有する携帯電話への嫌悪感にいくら嫌悪感を抱こうが構わないが、ふと我に帰れば我々も黒電話さえ無かった時代を知らず、通信というものさえなかった世代がかつて抱いていた恐れすら知らないのだから、無理もないのだろう。

 我々旧世代が一生懸命苦労していた排除しようとしていた何かの負担を、新世代はまったく味合う事なくまた新たな負担を負ってさらに新しいモノを産み出そうとしている。ならばその後を追って、付いていくしかないのだろう。

 山に籠って虎となり、若い世代に遠吠えするも身を隠すのではなく、怯えながらも進んで若虎の中に踏み留まり、その群れの進む道をただ追っていくしかない。

201212280006-201212311008
posted at 2012/12/31 10:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍批評
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのTrackBack URL
http://blog.seesaa.jp/tb/310946657
※確認及び承認されたトラックバックのみ表示されます。
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。