Blend Coffee at St-Marc Cafe

2012年12月17日
サンマルクのブレンドコーヒー。

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久し振りだな。サンマルク。ここのコーヒーも結構悪くない。

久し振りの街の、久し振りのショッピングセンターの、お気に入りの書店で本を三冊ほど買い、そしてサンマルクで久し振りのコーヒーを飲む。

まさかこの街に、まさか再び来ることになるとは思わなかった。まさかこの店で再びコーヒーを飲むことになるとは思いもしなかった。けれど、まるで一年半の隔たりを一瞬にして巻き戻したかのように、何も彼もがまったく変わらずにこの街にはあった。本屋もカフェも、そして彼女の笑顔までも。
たぶんあの曲を聴かなければ、ここへは戻らなかっただろうに。

いつか耳にした旋律は、まるで香りのごとく、一瞬にして人をその過去へと誘ってくれる。私の場合も、ふと耳にした、いつか街に流れていた流行りの一曲が、あの日の前日に私を引き戻してくれた。

私はその過去に戻った気分で、ずっと封印していたフォルダのメールに返信を打ち、そして彼女は彼女で何も変わらず返事をくれた。たった一文字のメールを笑いながら四通に分けて。

時は優しい。
答えの出ない迷いも、すれ違いの誤解も、憂い果てた憂鬱も、泣き尽くした後悔も、そしてその後延々と彷徨った堂々巡りさえ、時はすっかりと洗い流してくれていた。後に残っていたのは、ただただ幸せに満ちた思い出。
彼女はあの日の前日まで見せてくれていたのとまったく同じ笑顔で、私を出迎えてくれた。
何も彼もが変わらないこの街で…。

ふと不安がフロントガラスを過る。 堂々巡りだけは流れずに残り、ただそのループの中を漂っているのかもしれないと。

雨の交差点に差し掛かった車の中で、彼女が唐突に呟いた。
「私、こんなに楽しい日って、なんか久し振りだわ。あんなに大笑いしたの、久し振りだもの」
あぁ、ループでもいい。再び堂々巡りが始まっても、彼女がまた笑ってくれるなら、それだけでいい。
彼女の言葉が、まるでワイパーのように私の不安をふっと拭い去る。

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交差点を右折し、薄暗い住宅街をショッピングセンターへと向かう車の中で、フロントガラスが雨で歪んでいた。

posted at 2012/12/17 18:13 | Comment(0) | TrackBack(0) | 雑題雑想
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