プライドという言葉の冠詞

2012年12月14日
唐突に彼は云った。

「映太郎さん、やっぱプライドって、クソしか付かないんですね」

七、八人での食事の席で、彼の突然の言葉に周囲はきょとんとしていた。

「・・・(だろ)」
彼にすら聞こえない声でうなづいた。

元はといえば、いつだったかに私が彼の前で云った言葉だった。

------プライドってのはさ、クソしか付かないんだよな。クソみてぇなプライドって云うだろ。“クソみてぇな”って言葉が必ずや付いちまうもんなんだよ。

その言葉が、彼の中で燻っていたかのように、もしくは着床した菌が静かに発酵をしていたように、ずっと潜んでいて、そしてそれが爆発的に発酵した上で臭気までをも発したように、唐突に彼は呟いたのだった。

あぁ、もう彼のプライドはもはや変質し始めている。もう彼のプライドにクソみたいなという冠詞は必要ないと思った。
posted at 2012/12/14 20:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | 雑題雑想
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