後藤 正治著『奇蹟の画家』

2012年11月27日
 2012年11月27日、こんな本を読んだ。

後藤 正治著『奇蹟の画家』/講談社/講談社文庫/AMAZON



 
 奇蹟の画家

 後藤 正治著
 講談社/講談社文庫
 
 絵を見て、泣いたことがありますか?「女神像」が多くの人の心を捉え、今や個展に人が押し寄せる画家・石井一男は、50代まで画家として世に出ることはなかった。石井の清貧の暮らし、彼を世に出した画商、そして彼の絵に救われた人々。「本当の豊かさ」とは何かを教えてくれる、珠玉のノンフィクション。(作品紹介)


 絵に釘付けになるまえに、すでにこの本の表紙に釘付けになったのはいつのことだったか。
 


 この本を初めて見かけたのはAMAZONだった。

 日付までは覚えていないけれど、数年前のことだと思う。たぶんアマゾンのブックストアのトップにでも表示された新刊本紹介の画像に釘付けになり、思わずそのページを開いてしまったのだった。それでその一冊を紹介するリンクをお気に入りに登録していた。あぁこの本を、私はいつかは読むことになるだろう……などと、無意識に決めていた。

 とはいえそんな覚悟のようなものも徐々に薄れ、意識の底に沈殿しつつ、11月初旬のある日、私は本屋の文庫本の平積みコーナーで再会した。あぁやはりこの本に、私は再会すべくして再会したのだなぁ……などと思いつつ、何の躊躇いもなく手に取り、レジに向かった。

 読み進むうち、ふと発行年月日を見れば買ったのは発行日の翌日であった。ふふふ、あの日本屋に出向いたのも何かに呼ばれたのかも知れないな……などと何処か自惚れつつも、数ページに一度はボールペンで傍線を引きながら、読み進んでいく。

 作品には画家と画商の出会いや、絵画と鑑賞者との出会い、作家と編集者との出会いと、様々な人と人の出会いが語られていく。そこにふと自分とこの本、自分とこの画家、そして自分とこの画家の描く女神像との出会いを重ねていく。

 読み終えぬうちに、私はふと神戸への交通費を調べていた。神戸三宮駅近くにあるギャラリーシマダへの道のりを。
 調べれば来月、2013年1月には東京にても石井一男氏の個展が開催されるという。けれど一月までなど待てない。来年までなど待てるわけがない。今週末、神戸にて開催されるという個展の初日である2012年12月1日(土)までも待てそうにないのだから。

 明日にでも神戸に出掛けようか……、と本気で考え、いやそれでも今週末まではじっと待って、個展にあわせて神戸に旅立つとするか。

 それまで、この本の表紙をじっと眺めていようと思う。なぜか落ち着いてくるこの表情を眺め、心を鎮めようと思う。
201211161527-201211270042




     石井一男展

 開催  2012/12/1(土)〜12/12(火)
 会場  ギャラリー島田(神戸)
 サイト Gallery Shimada →リンク

 開催  2013/1/16(水)〜1/27(火)
 会場  枝香庵(東京)
 サイト ギャラリー枝香庵 →リンク
posted at 2012/11/27 01:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍批評
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