小川洋子著『薬指の標本』

2012年09月23日
 2012年9月23日、こんな本を読んだ。

薬指の標本―小川洋子著/新潮社―新潮文庫
 
 
 
 
  薬指の標本

 小川洋子著
 新潮社/新潮文庫
 
 楽譜に書かれた音、愛鳥の骨、火傷の傷跡…。人々が思い出の品々を持ち込む「標本室」で働いているわたしは、ある日標本技術士に素敵な靴をプレゼントされた。「毎日その靴をはいてほしい。とにかくずっとだ。いいね」靴はあまりにも足にぴったりで、そしてわたしは…。奇妙な、そしてあまりにもひそやかなふたりの愛。恋愛の痛みと恍惚を透明感漂う文章で描いた珠玉の二篇。(作品紹介)


 なんなんだろう、この感覚。ある意味私にとってはえらく読みにくい部類でもある。だがそれは物語に入りにくいとか、判りにくいとかではなくて、登場するエピソードや言葉たちが己の琴線や記憶のタブにいちいち触れてしまい、その都度どこかに飛んでいく羽目になるからなのだ。彼女はいつも、必ずや何処かへ連れていってくれる。

 やっぱりいいなぁ、小川洋子。



まさにタイトルの『薬指の標本』を読む為にこの短編二編の『薬指の標本』を買い、読み終えてそこそこの満足感に、私は小川作品の代表作『猫を抱いて象と泳ぐ』をやはり読もうと本屋に出向き、この本は閉じたままだった。

 で、他の小川作品も読んだのち、ふと思い出して、二編目の『六角形の小部屋』を読み始め、途中からおや…、むむ?、おお!、などと読み終える。

 なんだ、こんな面白いのが隠れていたのかぁ…と、読まずに閉じていたことを後悔。まぁ個人的な印象だから他人にあえてお薦めするようなことはしない。彼女のエピソードや世界観が触れたのは、あくまで私だけの琴線であり、私だけの記憶なのだから。

201209230829
posted at 2012/09/23 08:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍批評
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