赤ちゃんパンダの名前が“尖尖閣閣”って…

2012年07月08日
 赤ちゃんパンダの名前が“尖尖閣閣”って…、どうなのかなぁと真面目に考えてみる。

 ふむ、二頭なら“尖尖”と“閣閣”ってとこで丁度いいのだろうけれど、赤ちゃんパンダはたしか一頭だけのはずだからさしずめ“尖尖”もしくは“閣閣”ってとこか。いまいちかもなぁ。

 まぁ無駄に刺激するのはどうかとも思うけれど、とはいえ石原氏のそのセンス、私は嫌いじゃない。
 
 
 ―・―・―・―・―・―

  
 というか最近、自分の以前の記事を読んていて、パンダの名前に関する文章があまりに古くて読むに耐えなくなってきたので、たまたま先日ふと手直しをした。後半で少々調子に乗りすぎた部分をカットしただけなのだが、折しも世間ではパンダに赤ちゃんが生まれ、さらに名前をどうしようという話。タイミングが良いのか悪いのかは知らんけど、まぁ丁度いいのでReUpしようかと。

 以下、2006年の初頭にアップした文章の修正版。書き出しにつられてあまり真面目に読まぬよう、お願いしたい。


 外交大熊猫名称問題

 1972年中国政府は米大統領初の訪中を記念しニクソン米大統領訪中時の首脳会談の中で米国に二頭の大熊猫を贈ることを確約した。ニクソン離中後中国はその記念すべき大熊猫二頭の名称の検討を始める。当初モウモウとタクタク案が有力候補として駐中米国大使に打診される予定だったがあまりに露骨すぎるのではという理由で却下され再度検討されることになった。

 一時は訪中したニクソン大統領にちなみニクニクとソンソン案が最終案として決定されかけ駐中米国大使に打診までされたのだがそれはそれで米国内の無用な反政府活動の活発化を招きかねないとの不安から当時の駐中大使に突き返され再度の検討を依頼される。よってその案が日の目を見ることはなかった。同時に候補として挙げられたシンシンとジャージャー案は当時ニクソンの懐刀であったキッシンジャー補佐官に敬意を表したものだったがニクニクとソンソン案があっさりと否定されてしまった中国政府はシンシンとジャージャー案を出すきっかけを失う。結局中国政府はアメリカ歴代大統領に敬意を表してという名目なら特に問題はないだろうと初代アメリカ大統領リンカーンの名前を使用することを決定し二頭の大熊猫の名前をリンリンとカンカンと名付けただちに訓練を始めたという。
 中国の懸命な努力により二頭はその後名前を呼べば答えるほどにまでなったものの外交発表直前になってリンカーンが初代大統領ではなかったことに気付きさらにはリンカーンの奴隷解放宣言が後々中国にとってはあまりに皮肉な状況を招きかねないという配慮から急遽再度の変更をよぎなくされることとなった。慌て果てた中国政府は長年極秘裏に進めていた大熊猫外交計画委員会名称課の担当者を全員更迭しすべての外交計画は白紙となる。当時の担当者が大熊猫のごとく目を白黒させ愕然としたという笑い話は写真誌フォーカスの中国支部担当者が漏らしたジョークとして在中邦人の間だけで流ったと駐中経験者の間では有名なのだという。実は当時大熊猫外交担当部署には対日担当課も存在し田中角栄訪中に備え同様の計画が進展中だった。当時のフォーカス中国支部がスクープした記事によれば対日外交大熊猫の名称計画案の第一有力候補はカクカクとエイエイだった。ちなみに第7候補にはマーマーとヨッシャヨッシャがさらに第29案ではマキマキまで上げられていたという話さえあったがスクープ記事の信憑性を損ねかねないという理由により編集長の苦渋の選択でその部分の話はボツになったのだという。しかしその記事は奇しくもアメリカ譲渡予定の二頭と日本譲渡予定の二頭の複雑な関係を後日裏付けることとなる。
 対日譲渡大熊猫の名称案は当初対米のニクニクとソンソン案同様にカクカクとエイエイ案が最有力として扱われていた。しかし対等の米国ならともかくどうして日本にまでそんな媚を売らなければならんのかという共産党幹部の反発を買い駐中日本大使に打診するまでもなくカクカクとエイエイ案はボツとなる。そこに急遽登場したのがリンリンとランラン案である。当時日本円を稼ぎまくりテレビ東京の前進である東京12チャンネル買収まで噂された中華料理留円の社長は密かに共産党幹部を訪ねリンリンとランラン案による巨額の寄付をほのめかしたのだという。中国共産党はこの話に飛びつきリンリンとランラン案は一瞬にして最終決定案として他の案を一蹴してしまった。当時接待に利用された留円北京支店の店内にはあのCMソングの中国語バージョンが延々と流されていたという。「リンリンランラン留園♪リンリンランラン留園♪留園行って幸せ食べよ〜♪」。そのため日々通いつめた共産党幹部はもちろんのことなぜか党本部の電話交換係りまでがその歌詞を覚えていたという話まで伝わっている。しかしその案もまた突然ボツとなる運命だった。日本のテレビCMに出演していたタレントリンリンランランの国籍が実は台湾籍なのではという疑惑が持ち上がったのだ。屈辱的な状況となることを必要以上に恐れた共産党は綿密な調査もせずあっさりと決定を覆し多額の寄付を泣く泣く返却したという。ちなみに留円社長の話によると二頭分で20億円の寄付金は返却されたものの訳のわからぬ数十項目の手数料を差し引かれ同胞ながらさすがに唖然としたと語っている。結局中国大熊猫外交部の担当者は途方に暮れたあげく昼食を食いに行きその料理店の店長に対米案と対日案のすべての名称案を書いた紙切れを渡しクッキーに入れて出すように命令する。食後出されたクッキーを中華面の器に投げ込み混ぜこぜにしてから担当者が目をつぶって引いたという。その結果残ったのが対米案としてリンリンとシンシンであり対日案としてカンカンとランランであった。リンカーンとキッシンジャーの組み合わせはニクソンがひがむかも知れずまずいのではという危惧もあったがどうせ漢字ではアメリカ人には判るはずもないのだからという理由で対米案はあっさり通ってしまった。だがそこで問題になったのが対日案である。リンカーンの尻とは何事だと怒り狂うタカ派の発言を恐れる係官もおりそして留円のランラン案温存では社長がほくそ笑むだけではと悔しがる担当者もあり対日担当部署は田中角栄訪中直前まで議論を白熱させることになる。最終的にその議論は結論を出せず詳細を共産党上層部にあげることとなるが会議室に置かれた麻雀卓で会議をしていた気の短い党幹部たちは結局それ以上の議論もせず麻雀牌から取り出した風牌四種を放り投げ決めたという。後に中国は大熊猫外交の失敗を反省しその基本方針転換を行い一方的な譲渡を中止してレンタル譲渡のみとしており、さらに今後は外交大熊猫ネーミングライツ販売を計画中だという。

 ところで両国に大熊猫が贈られた数年後韓国人のある大熊猫研究者がアメリカのワシントン国立動物園と日本の上野恩賜動物園を訪れ双方の大熊猫に4種類の名前で呼びかける実験をしたという。その結果が現在の彼のサイトに韓国語英語日本語及び中国語でひっそりと発表されている。結果は彼の想像を裏切るまったくつまらないものだったと書かれている。発音の正確性を重要視し各国の通訳を連れ立って行ったもののそれぞれの大熊猫はどの国の言葉でもどの名前でもこれといった反応はまったく見せずただただ笹の葉を食べるだけだったという。
〈了〉

映太郎



 ちなみにこのお話、元ネタは別役実氏の小説「虫づくし」であり、私なりの別役氏へのオマージュである。遥か30年前のFM番組を思い起こす人はもうほとんどいないだろうけれど、思い出した方、もしくは元ネタを聴いてみたい方はYouTubeで「別役実+虫づくし」で検索してみるとよい。特にお薦めは「南京虫の考察」。奇特なお方が数箇月前だかにアップしてくれているので御一聴あれ。

 追伸。赤ちゃんはしばらくした後に返還しなければならないとのこと。中国に渡ってしまうのが決まっている彼だか彼女に、尖閣という名前ってのも若干縁起が悪いような気もしてならない。まぁあんま無駄に刺激するのはもう辞めましょうよ、石原都知事閣下さん。
posted at 2012/07/08 03:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | 語部修行
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのTrackBack URL
http://blog.seesaa.jp/tb/279601310
※確認及び承認されたトラックバックのみ表示されます。
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。