SF夏への扉と冬の山下達郎

2005年04月02日
本嫌いの私が珍しく一気に読み斬ってしまった小説がある。SFの大家、ロバート・A・ハインラインの『夏への扉』である。奇想天外でロマンティックで超ハッピーエンドなこのSF小説は、山下達郎のアルバム『 RIDE ON TIME 』に収められた一曲『夏への扉』をインスパイアさせた物語とも言われているとからしいとか。

夏への扉夏への扉
ロバート・A・ハインライン
RIDE ON TIME
RIDE ON TIME
by 山下達郎

発明家は猫を飼っていた。彼は、といってもその猫のことだが、大方の先入観通り寒さが苦手で、冬の寒い日は必ず飼い主を連れ歩きまわり、家中の扉という扉をすべて開けさせる。結局すべての扉の向こうが、まだ憎むべき冬の日であることを確認すると諦めて眠ってしまうのだが、それが飼い主にはやっかいな癖だった。
 
ある日突然発明家は最愛の恋人に裏切られる。途方に暮れた発明家は、冷ややかに認め毎度優しく付き合っていた猫の習性のようにありもしない扉を探し始めた。

すべての資産を委託し、数十年後指定年月日に冷凍睡眠から覚醒すると、資産運用で何十倍にもなった財産を受け取れるという保険会社の新しいサービスを見つけた発明家は、現在から逃れるようにそのサービスに飛びつき申し込む。

そして指定の月日が流れ、数十年後の未来彼が目を覚ますと…。

 −・−・−・−・−・−

このSF小説に映画化という話はないのだろうか。イメージが壊れるのは少々不安でもあるが、映像としてちょっと観てみたい気もする。いまのところ噂の噂のこれっぽっちも聞いたことがない。

ちなみに小説と同名の山下達郎の「夏への扉」は、夏という文字がタイトルに含まれているにも関わらず、夏のイメージが強い山下達郎にしては珍しく、冬のイメージがよく似合う曲である。

冬の日それも夜のぼんやり雪明りに浮かぶ雪道になぜかピッタリだった。そう、だったのである。何度も雪の中で聴いた私にはの話だが。もしこの曲が手に入ったら一度試して頂きたい。歌詞の意味がしみじみと感じられてくるだろう。まぁ、本を読んだ上での話ではあるが。逆に言えば、本を読めばその扉や名前や台詞の意味もわかるだろうから、歌詞がすらすらとイメージに変わるのを感じられるはずである。

何十年も前の話、初代ウォークマンをカーキ色のコートのポケットに入れこの曲を聴きながら歩いた雪に覆われた路地の風景が、いまだにはっきりと蘇ってくる。ゆっくりと歩きながら、何度も何度もリピートして聴いていた。まだリピート機能などウォークマンにない頃のことである。音と映像が一旦結びつくと、そう簡単には消えないものだ。

リッキ・ティッキ・トゥビー♪
 その日まで♪
   オヤスミ〜♪

原稿を打っている最中、山下達郎が頭の中で延々と歌っている。二十年たってもリピートは止まらないようだ。
posted at 2005/04/02 04:40 | Comment(4) | TrackBack(0) | 絵本批評
この記事へのコメント
お久しぶりです。
数日前、眠れぬ夜に山下達郎氏の曲を聴いていたばかりで
映太郎さんが山下達郎氏に触れていたことにびっくりしました。
私も自身のブログで山下達郎氏の『寒い夏』について触れています。『夏への扉』という曲は聴いたことがないような気がするのでこれから借りてこようかと…。
Posted by つなみんご at 2005年04月02日 14:36
つなみんごさん、こんばんわ!
山下達郎は何枚か持ってますよ。多分邦楽の中では一番多いんじゃないかな。二十数年前神奈川県民ホールのコンサートにも行ったものです。

「マーマレード・グッバイ」とか「僕の中の少年」なんて辺りが一番好きですね。

たまに急に聞きたくなります。まぁ実際思い出しただけで、頭の中で鳴り始めるものですが…。
Posted by 映太郎 at 2005年04月02日 21:41
こんばんは。
そういえば、今CMで「風の回廊(コリドー)」が
流れてます。
チョコレートとバイクと達郎ですか・・。
ナイアガラトライアングルの佐野元春、杉真理、
大滝詠一とならんで、そうかれこれ20年前は
結構聞いてましたね。(うわ〜また年のばれるネタ)
個人的にはアルバム「Moon Glow」と「Merodies」
あたりが好きかな。
「東京タワー」の主題歌も書いてたし、
ちょっと前は「恋愛写真」で2000トンの雨が使われてたし
その前は「ジュブナイル」、けっこう映画続きですが。
最近目だったヒットはないものの
息の長いアーティストですよね。
ポンキッキでは「パレード」、あとミスドで
流れてくるあの声・・(笑)
なんだか久しぶりに聞きたくなりました。

Posted by Ageha at 2005年04月04日 00:36
Agehaさん、こんばんわ!
大滝詠一
…あれは高校二年の夏でした。
夏の北海道は稚内のとある民宿で、ホンダのCB400ってバイクに乗ってやってきた二つ三つ年上の石原良純のような大学生が、ロビーで毎日聴いてました。「A LONG VACATION」まさしくロングバケーションで、その同じ民宿に半月も連泊してました。

ところで、
年ばれるネタ…とっくに何となくばれてますけど。

じょ〜でぃ〜〜〜〜〜♪

いいなぁ達郎って、
相変わらず曲も頭も頑固そうで。
Posted by 映太郎 at 2005年04月04日 02:04
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