アンデルセンのナイチンゲール

2006年07月15日
 皇帝は美しい歌声を聞かせてくれるナイチンゲールがとてもお気に入りだった。

 しかし或る時ふと機械仕掛けの小鳥に目を奪われ、その愛しき存在を忘れてしまう。

ナイチンゲールナイチンゲール
by ハンス・クリスチャン・アンデルセン

 それはそれは大好きで大好きで仕方なかったはずなのに、その存在をふと忘れてしまうなんて…。
 
 悲しきはふと何気ない移り気で愛しきモノを忘れてしまった皇帝なのか、それとも自らには何の罪もなく忘れられてしまったナイチンゲールなのか。はたまた、一度は皇帝にナイチンゲールを忘れさせ一旦はその想いを得ることもできたのに、自らさえ忘れられるだろう存在になってしまった機械仕掛けの小鳥なのか。

 一体誰ガ、最モ悲シキ立場ナノデセウネ、賢治サン。
 


 物語の結末において、皇帝にとって機械仕掛けの小鳥が一体どういう存在なのかが私には最も気になる。

 気になる…が気になる?
 実は私、まだこの物語を読んでいない。

 他人の書いた物語を読むより、自ら物語を考える方が好きな人間である。たった数行のさわりを読んだだけで、自分勝手な粗筋が身勝手に広がってしまうのだ。

 とはいえ、その物語のエンディングはどうまとめられているのだろうか。

 観てもいない映画を批評し、読んでもいない絵本を批評するなんて。まったく…、そんな批評を読む人の気が知れないよ。

 で、読まずにはいられないのでこれから買ってみるつもりである。こんな深夜に絵本売ってる店なんて、一体どこに行けばいいのか。

 ん? また渋谷のツタヤってか?

 いやそれはどうでもよいのだけれど、私だけの身勝手な続きはまだエンディングを迎えていない。



 機械仕掛の小鳥はすでに、ナイチンゲールを忘れ悔やんでいる皇帝の想いを知っている。

 私の物語の皇帝にとっては、機械仕掛けの小鳥はもしや感謝すべき存在なのかも知れない。その愛しきナイチンゲールの存在の価値を教えてくれたのは、何を隠そう機械仕掛けの小鳥だけなのだし。

 そのあまりに皮肉で悲しき存在の悲しき想いを、皇帝はこれからどうすればよいのか。

 本当の物語にはどう描かれているのが知りたい。
posted at 2006/07/15 22:12 | Comment(3) | TrackBack(0) | 絵本批評
この記事へのコメント
お初です^^私もこのお話を読んだことは無いので、結論は知りません。が、やはり責められるべきは皇帝、最も哀れむべきは機械仕掛けの小鳥ではないでしょうか。皇帝は、自分のしでかした事の重大さに気付いて後悔することで人間として成長できたし、両手に花状態、好きな方を選びたい放題なのだから、結果はダブルプラス。捨てられたナイチンゲールは、皇帝の愛が戻ったことでプラス。機械仕掛けの小鳥は、かつては恩寵を受けたとはいえ現在はいつ捨てられるこという恐怖におびえ、手放したナイチンゲールを探す皇帝の姿を毎日見せられているわけだからダブルマイナス。
     *************
愛を得られず苦しんでいたというアンデルセン。この物語に、アンデルセンの大きな人間性と愛を感じます。身勝手な皇帝にはバツを与え、可愛いナイチンゲールには愛を与え、最も哀れむべき小鳥には機械の体を与えた...
"生身"の小鳥にはこの試練は可哀想すぎる…
アンデルセン自身、機械になりたかったのこも知れません。「心」がなければ、そうすれば、苦しい日々から逃れられるから…
かくいう私も、機械になりたい。全ての感情を抹消して、全ての苦しみから逃れたい。それが無理とわかっているからこそ願わずに居られない。結局南極、映太郎さんがよくいう、無いモノねだりなのでせうねぇ・・・
Posted by babysbreath at 2006年07月18日 05:37
上記追記^^;
このお話でアンデルセンが言いたかったのは、ナイモノネダリはおやめなさい、ということなのでしょうね^^;現状に満足しなさいと。自分に言い聞かせるために書いたのかもしれません^^;
私ももっと悟らなきゃ。あぁ、お釈迦様になりたい・・・って・・・
やっぱりナイモノネダリしてるし・・・
Posted by babysbreath at 2006年07月18日 05:58
babysbreathさん、オハツです!

何処の国でも何時の世も…、結局は皇帝や王様、殿様といった肩書きの者が一番愚かで一番迷惑な存在に描かれてましたねぇ。今や首相や大統領という存在が世の中で一番愚かで迷惑な存在であるように。
Posted by 映太郎 at 2006年07月18日 07:24
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