我が父の日と息子の父の父の日と

2006年06月07日
 かつてどこかの花屋に勤めていた頃の事。

 母の日の繁忙期を直前に控えたスタッフミーティングの席で、ふと誰かが呟いた。

「今年の母の日って日曜日なのね。
 忙しくなりそうねぇ。頑張りましょう!」

 ミーティングのメンバーは静まりかえり、誰もフォローしようとはしない。まぁ言われてみれば当然のことなのだけれど、言われなくても当然のことであることに、本人だけが気付いていなかった。

 さて、今年の父の日は一体何曜日なのだろうか。
 


 父の日…。

 まったく…、その主権の薄さに比例するがごとくまだまだ母の日の盛り上がりには及ばない。一体どうしてなのだろうか。

 ところで…、とすぐに話題を変えたくなってしまう処にこそ、その“父の日”のどうでもよさが現れているのかも知れないな。

 で…、と結局話題を変えてしまおうと想っている私もまた、父の日のプレゼントなど期待はしていない。

 どうせ私へのプレゼントの選択者はまだ小学校一年生である。誰かに贈るように仕込まれたプレゼントを贈られるより、死の床で本心から贈られるかも知れぬ最初で最後のプレゼントの方がマシというもの。私の余命もまだまだ少しは残っていそうだから、祝い延ばしよろしく、期待は喜んで先延ばしにしてみようと想う。



 ということで、問題は余命の長い父の“父の日”より余命の短い父の“父の日”であった。一体今さら、父に父の日の贈り物をして父は喜ぶのだろうか。

 はて、いまさらのいまさらをどんな顔で貰うのか。
 はて、いまさらのいまさらどんな顔で贈ろうか。
 はて、いまさらのいまさら何を贈るのか。
 はて、いまさらのいまさらの今…。

 そんな最も父の日のプレゼントに似合いそうもない父の顔を想像してみると、実は意外と面白かった。

 だが渡しに行くのも面倒だな。アマゾンで送り先指定でもして贈ることにするか。で、送り先は一体どこになるんだっけか。

 いまさら父の住所も忘れてしまった。一体どこでどうして暮らしているのか。母に尋ねてみないと判らない。



 まったく話は反れるが、端午の節句を繁忙期とする人形メーカーの話をご存知だろうか。

 五月人形を売る人形屋同士が毎年競って販売時期を早めていったというお話。ライバルの先を越そうと、毎年毎年競い合い販売開始を早めていった二軒の人形販売店は、ある年を境にぴたりと競争を取りやめてしまったという。その日とは?

 桃の節句である。

 3月3日を跨いでまでは競争できなかったというお話。まったく、どこの世界でも男は女に頭が上がらないなんていうオチであった。



 あぁぁ、子供の節句でさえ男は女を越すに越せないのだ。父の日がいくら頑張っても母の日に及ばないのも当然であろう。

 そして我が父の“父の日”は、母が居ないと贈り物さえ届かない。面倒臭くなってきたな。母に適当に食い物でも届けて貰うかな。

 ふむ、それとも…。クラシック聞きの父に、イヤミのようにクラシックなんぞを贈るのも面白いかも知れぬ。清水靖晃の“洞窟に響くバッハ”でも贈ろうか。

 「このバッハは最高だよ!」

 今さらクラシック音楽評論家の父にバッハの良さを説いてみる。

 反論の一つも返ってきたら、贈り物が成功だった証になるかも知れぬ。
posted at 2006/06/07 02:36 | Comment(2) | TrackBack(0) | 雑題雑想
この記事へのコメント
ランダムに読むのは止めて〜この時間は、新しい記事から読むことにしました。
全ての記事にコメントを付けていくのも面白いかなぁ〜なんて考えてみたけど、記録に挑戦する気力が果たしてあるかどうかが疑問になったので考え直しました。

面白い!!実に面白い!!こんなに面白い人・・・久し振りかもw(いとをかし・・・)

ところで父の日は、何か面白いことはありましたか?
Posted by うぶみ☆ at 2006年06月25日 00:31
うぶみ☆さん、またまたようこそ!

父の日って…、
今年はいつなんですかねぇ。どうやら時差か月差があるようで、今年はまだのようです。

…ってか、なにやら徹底的にコメントを書いてくれるようで、ちょっと嬉しいモノですねぇ。

こちらも徹底的に応戦致しますので、どうぞ思う存分お書き下さい。
Posted by 映太郎 at 2006年06月25日 01:14
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