ママとボトルと銀行の関係

2005年02月02日
銀行の対応が相変わらず問題になっている。偽造カード等による不正払戻金の補償問題である。

「こんな払い戻しをした覚えはない!」
顧客はそう言って、不正な払い戻し被害を訴えるが、
「いいえ、あなたが払い戻したはずです。そうでなくても、証明することはできないでしょう!不正払戻しを証明できなければ、その損失を補償する義務も銀行にはありません!」
銀行はそう言って突っぱねる。

実際それをたった一件でも認めてしまうと、全額を自分で払い戻し空っぽにした“偽造被害”口座の通帳を銀行に持ち込み、不正払戻しだから補償せよと言い出すヤカラを考慮してのことだろう。

だが、どうもこの問題、何か単純な例えで顧客を平然と突っぱねる銀行側の主張をあっけなく論破できそうな気もするのだが、うまい例えが浮かばない。

何かいい例えはないだろうか。
 
偽の偽造カード被害に関しては、以前どこかのスーパーであった換金騒ぎを思い出す。扱った食肉がインチキだったことが発覚し、レシートが無くても換金するとかいった話だった。その食肉の換金額が、帳簿上での該当売上額をはるかに凌ぐ額だったとしても、疑わしいお客さんがいるからと全ての顧客を疑う資格はそのスーパーにはなかった。

では、銀行の場合はどうだろうか。
銀行側に過失が全くないのなら、突っぱねるのも有る程度は理解できるが、本当に過失が全くないのだろうか。どう考えても全くなかったとは思えない。

何かいい例えとうまい反論方法はないものだろうか。

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行き着けのスナックに久しぶりに飲みに行くと、たっぷり残っているはずのボトルが空っぽ同然になっていた。

お客「ママ〜!ボトル出して〜!」
ママ「ハイ、あんたのボトル!」
お客「え?何でこんなに減ってんの?
ママ「これあんたのよ!名前書いてあるでしょ!」
お客「嘘だろ〜!一口しか残ってねぇじゃんか…。」
ママ「何よ〜!あんたが先月飲んだのよ!」
お客「先月なんて俺一回も来てねぇし…」
ママ「嘘よ〜!あんた先月も来たじゃなぃ!」
お客「覚えてねぇんだけどなぁ…」
ママ「あんた酔っ払ってただけでしょ…」
お客「そっかなぁ…。」

たまたま挙げた馬鹿げた冗談のような例えも、平気で突っぱねるママの態度まで銀行にそっくりだった。いや大手銀行の態度が、場末のスナックのママがいかにも見せそうな態度に似ているのかも知れない。まぁ接客のプロであるはずのスナックのママだったら、突っぱねた分適当におつまみでもサービスもしてくれそうだが…。

実際その態度の例えは別として、その関係はまったく共通している。信用を頼りにモノを預け預かる関係はまったく一緒である。

大体スナックのボトルキープに手の平認証システムなんて考える馬鹿はいない。

だが、それは信用という漠然とした拠り所が互いにあるからで、そのシステムが馬鹿げたほど違いはあれ、そこに存在する“預ける者”と“預かる者”と“預けられる物”と“認証確認する手段という四者の関係にさほど違いはない。

そういえば、逆の話もあった気がする。
どこかの銀行で、多額の振り替えミスか何かで振り込まれた大金を返すとか返さないとかいった話があった気がする。結局どうなったのか覚えてないが、普通に考えたら返金するのが常識的判断だろう。大体銀行なんて自分達のミスも金庫に隠しかねないだろうし…。

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私はスナックにボトルキープなどしたことないから、実際のシステムを知らない。無理な例え話ゆえ少々大げさな表現であるかも知れないが一般的なことを想像してみる。

一般的に客がボトルをキープをするのは、その店の人間を信用している証であり、同時に「また来るよ!」といった意思表示でもある。そしてまた店側も「あんたのボトルは誰にも飲ませないでずっと置いといてあげるから、必ずまた来てね!」などといった暗黙の約束をしていることになる。

代金を払ったボトルの中身をその店に預ける関係は、先に書いたように銀行に自分のお金を預ける顧客と銀行の関係と同じである。ではキャッシュカードも作らないスナックは、どうして顧客を区別するのか。それは顔しかない。

水商売なんて言葉にはあまりいい響きがないが、そういった仕事についている人々に多くみられる特技に顔や名前の記憶力というのもあるだろう。

彼らはその個人と他のお客の区別が付くから、住所も知らない客にツケで飲ませ、また客も安心して店にボトルを置く。根本的にそこには信用というものが切り離せない。

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例えが少々漠然としてきたので、具体的な話に戻す。

さてどなたか偽造カードを一枚でもお持ちなら、しばらく貸して頂きたい。そしてその偽造カードと本物のカードを銀行に持って行きその場で証明してもらおうではないか。

どちらが本物でどちらが偽造なのか。

たぶん判別できないのではないだろうか。そもそもそれが判別できたらばこんな問題は起きていないだろうし…。

二枚のカードの証明は、銀行の認証システムの不備を証明することでもあるはず。

もし、その二枚のカードの区別ができないとしたら、そこに銀行の一つの嘘を立証できるはずである。

できないことをできると言っていたら、そのできると言っておきながらできなかったところに嘘がある。

顧客に嘘をついていることになる。

ふむ、これならこの嘘をついている事実が大きな取っ掛かりとなりそうだ。

銀行が、その特定の顧客を他人と区別する為の個人認証システムとして作るように勧めたキャッシュカードが、実際に他人との区別をできなかったことが証明された時、カードシステムが顧客の認証証明をできると言い切った銀行の嘘が浮かび上がることとなるはず。

キャッシュカードに限らず、印鑑にしても暗証番号にしても、それらをあなたが設定してくれさえすれば、あなたを顧客として認証識別し他の人間と区別しますと言って設定させているシステムでる。それができないのだから、銀行が用意したそのシステムに不備があったということではないか。

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PL法が、事故等の過失責任の有無を証明する義務を製造者に課す法律ならば、銀行の顧客認証システムの不備責任の有無の証明を銀行に課す法律として利用できないのも全くおかしい。顧客の損失という観点では、オモチャの事故による子供の怪我となんら変わりないのだから。

中には自分の子供より大切な大金を失い途方に暮れている銀行の顧客達もいることだろう。失われた我が子の為にオモチャメーカーを訴える親のごとく、PL法が銀行の顧客たちの味方になる日が来ない方が、よっぽどおかしいと思えるのだが…。

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実際銀行の長ったらしい規約をこんな考えで論破できるとも思っていない。だが、裁判の立証や反証なども、意外と単純なキッカケや例えから突き崩されたりするものと思っている。

そんな偽造カード被害などまったく縁がないのに、もっといい例えや巧い反論方法がないものかと、なぜか日々悩んでいる今日この頃である。誰かディベートに自信のある方、変な推理RPGよりよっぽど面白いと思うのだが、挑戦してみる気はないだろうか。
posted at 2005/02/02 07:31 | Comment(0) | TrackBack(0) | 雑題雑想
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