ソノ海ニ飛ビ込ムサウイフ人々

2006年04月23日
 映画「フィアレス―恐怖の向こう側」、アマゾンで購入して以来ディスクを入れっ放しなせいか、何も観るモノがない時にはつい“ながら観”している。

 記事を書きながら…、エクセルを打ち込みながら…、メシを食いながら…。

 主人公の体験と、主人公のフラッシュバックと、そして私の疑似体験と、私の擬似フラッシュバックが、まるで悪夢をみる悪夢のように、まるで擬似体験を疑似体験するように。
 


 映画の冒頭、ジェフ・ブリッジス演ずるマックス・クラインはトウモロコシ畑を彷徨っていた。

 飛行機事故に自らも巻き込まれたにも関わらず、偶然出くわした野次馬のように生存者たちを導き、見ず知らずの赤ん坊を母親の元に返し、そして何事もなかったかのようにタクシーでその場を去っていく。

 ホテルの一室、バスルームに映る己の姿を眺め、彼はやっと自分の現実を取り戻す。

「I'm not dead.....」 

 しかしその言葉は、「生きててよかった!」という感嘆というより、単なる一事実を確認しただけのような呟きだった。



 それにしても、この映画を私は何度記事ネタにするのだろうか。まるで疑似体験のフラッシュバックのように、なにかにつけてはこの映画の何かをネタに記事を書いている。

 自分の考えあぐねていた事が、偶然にも色々と含まれていたからなのかも知れない。まだ質問もしていないのに、「あなたはホニャララで悩んでますね!」と助言する占い師に出会ったような気分である。

 まぁそんな占い師に憧れは抱かないけれど、この映画の主人公マックスに憧れていることは間違いない。

 何度も登場する回想シーンで、いきなりガタガタと揺れ始める飛行機の中、乗客は不安に陥り、スチュワーデスはそれを煽るかのように不安な顔でシートベルトを締めるように告げる。

 乗客は当然のようにみな不安で吐きそうな顔をしている。

 そんな中、たった一人平静を取り戻し、みなを落ち着かせようと微笑む主人公。それは平静を取り戻したというより、何かのキッカケで単に恐怖を感じなくなってしまったらしい。

 隣の席で恐怖に怯える友人をなだめ、彼はたった一人で乗っていた子供の隣へと移動する。

 その子供の席に移動する間も、彼は乗客たち一人一人に微笑みかけ、唇の動きだけで「大丈夫、大丈夫」と優しく励ます。

 他人の境遇をいち早く察知し、自らの状況を省みずその不安の海に飛び込み、溺れながらも共に泳ぎ、共に岸へと向かう。

 「格好イイ!」
 その振る舞いがとにかく格好イイ!と感じる。

 そんな姿こそ、先の記事で取り上げたサウイフ人に思えるからなのだけれど、先の記事のさらに先の記事で取り上げた“無意識の反動”で考えれば、自分が最も遠い存在であることに不安を覚えているからなのかも知れない。

 “サウイフ人”への憧れというよりも、“サイウフ人デハナイ人”には絶対になりたくないという気持ちの反動なのだろう。



 でもなぁ…、考えてみれば私が憧れているのは、もしや頼みもしないのに悩みを聞いてあげようと、いやそれ以上にいきなり助言をし、いきなり手を差し伸べようとする占い師なのかなぁ。

 或る意味、人一倍お節介かも知れないが…。

 ふむ、占い師は助言をしてくれても手は差し伸べず、代わりに代金を徴収する手を差し伸べる。

 声なき助けを聞きつけ、頼みもしない助言を施し、ついでに手を差し伸べ、自らもその悩みの海に飛び込み、かといって見返りは求めない。

 そんな姿への憧れならば、クソみたいなプライドも何も文句は言わない。

 でもなぁ…、泳げないことが判っていても、人は他人の落ちた海に飛び込むことができるのだろうか。

 あの新大久保のあの二人のように、もしや岸まで泳ぎきれないと判っていながら、その海にホームから飛び込むことができるのだろうか。

 できないと思えばこそ、できる人、不幸にもできてしまった人々に、さらなる憧れを感じる。

 2001年1月26日アノ日
 新大久保ノ海ニ飛ビ込ンダ
 カメラマント韓国人留学生ノヨウナ人ニ
 私ハナリタイ
posted at 2006/04/23 08:42 | Comment(4) | TrackBack(0) | 雑題雑想
この記事へのコメント
映太郎さん、こんばんは。

この記事のテーマ・・・重たいですねえ。

“何とかは風邪を引かない”と言うのに
Risuは季節外れの風邪を引いてしまいました。
薬を飲んで頭がぼ〜。
難しい事は考えられまへん!
じゃあ、出張って来なきゃいいんだけどね…

読み逃げできひん体質なのよ。
謹んで・・・平伏。
Posted by Risu at 2006年04月23日 21:50
Risuさん、毎度おおきに!

スミマセン、重くって。
てかオチだけいきなり重すぎたかもな。重かったらこっそり読み逃げして結構ですよん… ^^)

一旦何かが重くなると、結構この手の記事が続く時もありますからねぇ。容赦なく読み捨てなさってください。とはいえ、ソレができるくらいならコメントも書いてないのだろうしなぁ。
Posted by 映太郎 at 2006年04月23日 22:19
映太郎さん、どうもありがとう。
こちらこそ、スミマセン!でした。

>容赦なく読み捨てなさってください。

ありがとうごゼイマスだ、管理人さま。
お言葉に甘えて今後はそうすることに致します。
 
今日にところは“モゾロフのプリン”を頂いたので復活。(*^_^*)

Posted by Risu at 2006年04月24日 00:23
Risuさん、マイドオオキニ!
>ありがとうごゼイマスだ、管理人さま。
>お言葉に甘えて今後はそうすることに致します。

え?えぇ??えぇぇ???
そうあっさり言われるとやっぱ寂しいなぁ。

まぁいいか、
他人まで欝に巻き込んでもしょうがないしな。
Posted by 映太郎 at 2006年04月24日 01:14
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