花忘れ再び病院にて花と出会う

2006年04月18日
 ふと気がつくと、4月3日の“My 'Just Like Starting Over' ”から、早くも二週間が過ぎていた。

大病院駒沢公園脇の某大病院

横浜大洋ホエールズよろしく、私ゃいまだに“第二病院”と呼んでしまうよ…。

 新たな職場の新たな仕事で、右も左も、実際AとBの区別もつかぬうちに時間はもの凄い速度で過ぎ去っていく。
 
 まだ革の香り漂いそうな、真新しくピカピカ光るランドセルの重みを毎日味わっている新一年生たちも、この“時間速度の一時的な歪み”を同様に感じているのだろうか。

 きっとそんなことに気付く暇もないほど日々新たな経験を無我夢中で受け止め、本人も知らぬうち記憶の奥底に刻み続けているのだろう。私にしても状況はまったく変わらん。まったく無我夢中、いや、ある意味必死なのだ。
 


 それにしても四十路を過ぎた今さら、AとBの違いにこれほど苦労するとは思わなかった。

「それはAですよ!」
「えっ、あっ、スイマセン、間違えました。」
「あぁ、それはBでしょ!」
「えっ、あらら、スイマセン、また間違えました…。」

 この年になっての転職はやはり結構つらい。新一年生と違って、頭は比較にならないほどカチンカチンに堅いのだ。

 覚えなければならないことは山ほどあるのに、焦る気持ちとは裏腹に、すでに固まりつつある頭に物事はそう簡単に入ってくれない。

 まぁそんなことは百も承知の上で、今までにまったく経験のない業種を選んだのだけれど、とはいえやはりしんどいモノはしんどい。



 今まで、綺麗な花々に囲まれ働き続けて約16年。その花に関連し、花とは切っても切れない間柄の葬儀に携わることもさらに延べ数年間。

 考えてみれば、世の中で最も美しいモノたちと、そして世の中で最も忌み嫌われる状況の中で仕事をしてきた。

 だがいざ自分の開いた花屋を畳んでからは、もう十分満足したせいか、二度と同じ業種にはつかないとなんとなく自分で心に決めつつ仕事を探した。

 まぁ実際問題としては、一度社長として花屋を開いた身である。もう同じ花の業界で、誰かの下で働くのが嫌だったというのが正直なところ。何度もクソと比べられたプライドが、相変わらず災いしていたわけだ。

 で、何気なく見つけた今の職場。つい先日、桜を背にポーズをとった今年の新入生のごとく、毎日毎日新しく覚えなければならない事柄に囲まれつつ、結構新鮮な“新鮮さ”を日々感じ過ごしている。

 不思議なもので、まったく経験の無い新たな業種のせいか、余計なプライドも疼くことなく、なぜかとても素直になれる。

 あぁ…、だからなのか。ジョン・レノンのスターティング・オーバーが、二週間経った今でも頭の中で響き続けているのは…。



 この二週間の気持ちをこうして冷静にログに書き記してみると、ふとまた一つ、何か奇妙な“縁”を感じた。

 仕事を探す時も、また不動産を探す時なども、縁というものを感じることがよくある。幾ら探しても見つからない時もあれば、ふと何気なく決まってしまう時もあるものだ。

 今の仕事は、新たな業種、新たな仕事とすっかり思い込んでいたけれど、どうやらそうとも限らないような気がしてきたのだ。やはりそこに縁という何かを感じてしまう。

 毎日職場を歩き回りあちらこちらの病室を見渡すと、それぞれの部屋では、大小様々な花たちがそこに横たわる人々を癒している。

 そしてまた時には職場の地下の一室で、願いのこもった花も空しく、人々の最も忌み嫌う状況に陥った家族たちが、特別な車の到着をそっと待っている。

 ふむ、私はこの手の職場をどうやら無意識に選んでいるのだろうか。私の仕事には“生と死”が必ず存在し、傍らではいつも花たちが見守っている。



 そう言えば小学校の頃に読んだ一冊の本をふと思い出す。

 あれは確か南極観測船ふじに関する子供用の本だった。なぜか私はその本を読み突然医者を志したのだった。その奇妙な関連性のきっかけはいまいち思い出せないが、確かにあの本でなぜだか医者を夢みた瞬間があった。

 結局そんな志はいつしか忘れてしまったけれど、今偶然にもそんな志を実現させた人々と同じ職場で働いている。

 まぁ今さら思い出したところで、この年で医者を志すほど無謀ではない。とはいえ、同じ場所で働けることになったのもまた何かの縁なのかも知れない。

 そしてもう一度考えてみれば、世の中で最も忌み嫌われる状況と、そしてその状況を避けるべく日々力を尽くす人々と、その傍らで見守る世の中で最も美しいモノたちとの狭間で、私はまた仕事をしていた。

 何もがまったく異なった職場で、何かだけは何も変わっていなかった。

 で、職場には美しい人々が多いかって? そりゃどこもかしこも看護婦さんばっかだし…、…、…。

 いえいえ、職場内の情報は一切漏らせないことになっているので、この辺で失礼。あしからず。
posted at 2006/04/18 00:13 | Comment(6) | TrackBack(0) | 雑題雑想
この記事へのコメント
・・・はっ! みっ、耳がダンボになっておりました。
プライバシー保護のため、今日はこれにて失礼いたします。
Posted by Risu at 2006年04月18日 06:52
・・・はっ? はっ、鼻はどうなりました?
せっかくのリピーター保護のため、今日はこれにて失礼いたします。
Posted by 映太郎 at 2006年04月18日 07:14
ほほほ?病院関係者になられたのですね?

私もなろうと思えばなれた過去を持ってますが、小児病棟を覗いたら、無理だ!と思い、また実習に行って、先輩達の厳しさに辟易し(苦笑)諦めたような気がします。

んで、普通の産業に携わる方を選んだのですが…それが災いして?今があります。(笑)

ま、ボチボチ次を探さねばならぬ身なので、似たような境遇になるのかなぁ?
Posted by KaN at 2006年04月18日 17:37
KaNさん、毎度!

それがね…、
キッカケは何となくだったんですが、考えてもいなかったことに、趣味のエクセル技が少々活かせる職場だったりして、そういう意味でもちと縁を感じてしまったわけです。

ってことで、流行りのバトンでもお渡ししましょうか。さしずめ、“転職バトン”ってとこかな?

質問考えるの面倒なので、ご自分で勝手に答え10個ほど並べてください。後はよろしく。
Posted by 映太郎 at 2006年04月18日 20:10
ははは・・・。(^^;)

んじゃ、いつもアッチで書いてる日記読んでいただければ、答えはありすぎるくらい余ってますよね??(苦笑)
Posted by KaN at 2006年04月20日 13:19
ハイ!
おっと、あまりの返答に挨拶を忘れちまっただよ。

KaNさん、マイド!
貴殿の貴サイトの貴記事からピックアップすれば、数十問の質問を逆に構成できるかと思われます。ご用意致しましょうか?

ってか、仕事関連の記事をピックアップするなんて、一体どこまで遡ればいいのやら。少々面倒臭くなって参りました。やっぱご遠慮させて頂きまする。失礼。
Posted by 映太郎 at 2006年04月21日 01:01
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