北朝鮮の不思議な誠実さ

2005年01月22日
あの金正日氏が、世界の有名人?だったか、世界の極悪人?だったか、まぁとにかく何かの記事でタイム誌に紹介されたという。

もちろんそれは批判的な記事だったらしいし、いまさらそれ自体はさほど驚くべきことではないのだが、それが彼自身の批判記事であったにも関わらず、「金正日様がなんとあのタイムで紹介されたのであ〜るぞ!」といった具合に北朝鮮国内で紹介されたらしい。

世界のタイムに載ったことが、よほど嬉しかったのだろうか。

まったく不思議な国である。
 
批判的な記事内容は全く無視し、そこで彼が賛美されているがごとく紹介されているだろうことは安易に想像できる。だがどうせなら、在ること無いことをでっち上げ、いやそれどころか、“世界中のあらゆる雑誌や書籍やメディアで絶賛され、尊敬され、賞賛され、崇拝されている”とまで、次から次へとでっち上げてみても誰も疑うことすらできないのに、そこまではしていないらしい。

不誠実さの中に、どことなく変な誠実さが見え隠れしているのが、どこか不思議でどこか可笑しい。

釣り人が逃した魚の大きさを自慢しているようではないか。

行ってもいない釣りで手にした架空の大魚を自慢したっていいのに、そこまではしようとしない。そのくせ、サーカス競技だかの大会でも優勝したといい、それが誇らしげに報道されていたという話題も紹介されていた。

試しに今話題のあの“スキージャンプペア”DVDで、北朝鮮選手が優勝なんて特別バージョンを作ったら、さぞ誇らしげに報道されるかも知れない。

自国でそこまでしたっていいだろうに、そこまではしない変な誠実さが不思議ではないか。

 −・−・−・−・−・−

ところで、PCの日本語変換のお馬鹿さにはいつも呆れるほどなのに、記事編集中に“キムジョンイル”と打って試しに変換したら“金正日”と出てきたのには驚いた。

試しに“キムデジュン”と打ってみると“金大中”とも出てくる。日本語変換の語彙にこんな名前が登録されていたのには驚きである。調子に乗って“キムジョンナム”と打ってみたが“金ジョン南無”となってしまい“金正男”とは出てこない。やはり金正男氏は“まだまだ”らしい。

こんな記事を投稿して、北朝鮮のオタクなオカタに検索アクセスされたらどう受け止められるだろうか。ちょっと不安になってきた。

「Hi! Mr. HADAKA no Oosama! How are you?」

 −・−・−・−・−・−

とある報道では、金正日氏と金正男氏のビザ申請がなにげなく出されていたという話題が紹介されていた。なんでも、なにげなく申請し相手国の反応を見たのではないかという。

彼らを擁護するつもりはないが、日本映画の寅さんやゴジラを見て育った父親といい、ディズニーランドに入りたかったという息子といい、彼ら親子もまた不思議な存在である。

テレビ放送では毎日のように日本人を敵対する内容のドラマが放映されているというのに、その国のトップとその息子にそんな(ある意味での)日本びいきな一面があるという噂が流れているというのも、理解に苦しむ。

もしかしたら、本当に裸の王様かも知れない。それは彼らを擁護する意味なんかでも何でもなく、一つの可能性として有り得るのではないかと思う。

誤解されたくないので、繰り返し書き記すが、彼らを擁護するつもりは全くない。だが、そんな可能性だって全くゼロとは言えないではないか。どうせ全てが嘘のような国である。一番らしくないことが本当だとしても、何も不思議ではないだろう。

事実が小説より奇異なものであるならば、一番らしくないのが実は一番真実に近いかも知れない。

「もし亡命する気がお有りなら、
 今のうちだと思うんですけど…。」

「亡命するわけないだろう!」なんて言われそうだが、国民のために自ら先頭に立つタイプにはまったく見えないではないか。どう見たって一番最初に救命ボートに乗るタイプに思える。だとすればその可能性だって無くは無いはず。

ブッシュが政権を握る最後の4年間が始まった今、そろそろかなり怯えているかも知れない。
posted at 2005/01/22 06:05 | Comment(2) | TrackBack(0) | 報道批評
この記事へのコメント
こんにちは。
北の金正日独裁体制について、疑問符を打つような報道がちらほら出始めている昨今、非常に興味深いエントリーでした。

―不誠実さの中に、どことなく変な誠実さが見え隠れしているのが、どこか不思議でどこか可笑しい。―

なるほど。
以前TVで誰かが、「北の外交は日本の暴力団と同じで脅し外交だけれど、やっている事は非常に合理的だ」みたいなことを発言していたのを思い出しました。
もちろん皮肉で言ったのでしょうが、意外に両者とも、脅しを基本にしつつも周りの目を気にするようなところが、似通っているのかもしれないな、なんて思ったりしていました。
暴力団については当然ながら良く知りませんが・・・

いずれにしても、現在の北朝鮮内部の動きは、第三国の人間から見れば、興味深いですよね。不謹慎な言い方ですが。

ちなみに私は、北朝鮮オタクではありません。念のため(笑

長文&駄文失礼しました。


Posted by 編集長@ゆるゆる新聞 at 2005年01月25日 01:57
>編集長っ!…こんにちわ!
関係ないけど、さん付けが似合わぬ名前に敬称略させて頂きました。この方が雰囲気出てるでしょ。

で、
私もそんなコメントらしき評価を聞いたことがあります。強引な外交交渉の手段や姿勢は、幼稚な日本の外交スタイルのはるかに上手なモノだとか…。

たしかに、
いきなり銃を突きつけ、「100億出せ!」なんて唐突に脅迫してくる街の強盗のようです。「そんな事言われても…」と呆れて立ち去ろうとする被害者に、「だったら千円でいいから出せ!」と言っているようなモンじゃないでしょうか。

いきなり「千円出せ!」と言われても相手にしないでしょうが、そういった馬鹿げたプロセスを踏まれると、つい出してしまいそうです。

小泉氏は先日、わざわざその千円を渡しに強盗の家まで出向いていたような…。

イタリアだかどこだかで買い物する時は、吹っかけるのがお互いのルールって言うじゃないですか。

まさかそのまま買うなんて…。
相手が吹っかけてるとわかってきたなら、こっちも少しぐらいは吹っかけないとねぇ。
Posted by 映太郎 at 2005年01月25日 11:53
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