カメラを使わない写真家

2005年01月22日
ある報道番組で紹介されていた、ある若手女性写真家の作品に驚いた。

写真家 澤田知子
Tomoko Sawada web
サイト⇒リンク

ID400ID400

自ら400人の変装を繰り返し、400人の外見から400人の内面を演じ分けた彼女自身が被写体になった「ID400」は、街角のありふれた証明写真機で撮影されたという。

写真家という職業というもの、必ずしも高価でりっぱなカメラは必要ないらしい。
 
街角の証明写真機で撮影された彼女のデビュー作は、木村伊兵衛写真賞という栄えある賞を受賞したという。

それにしても、選者の目に留まったのは、400人分の写真を撮り続けた彼女の根気なのか、それとも400人分の内面をたった一人で演じ分けた彼女のバイタリティーなのか。

どちらにしろ、その斬新な作品の根源にあるのはまさしく彼女自身のセンスから湧き出た彼女自身のアイディアと言える。斬新で奇抜なアイディアを作品にまで仕上げたのは、単なる一人の写真家のありふれた職人技でしかないはず。初めだろうが終りだろうが、そこにまず在りきはアイディアだろう。

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報道写真家の有名な受賞作品などに写る一瞬の光景を見ることがある。そこに写っているのは、偶然居合わせた絶好の光景ではなく、その瞬間を撮るべくしてそこへ出向き、その状況をひたすら待ち続け、その結果としてシャッターを押しフィルムに収めた意図された絵だと聞いている。彼らが撮影に出発した時点で、すでに作品の7,8割は出来上がっているのだろう。

報道写真とポートレート写真の違いはあれど、そのプロセスにはさほど違いはないだろう。その発想を思いついた時点で、作品はほとんど完成されているはず。

とはいえその作品完成に使用された機材が、街角の証明写真機だったというのには、やはり驚き、感心してしまう。

写真家にカメラは必要ないらしい。

高価な機材や最新技術を使ったり、はたまた秘境の地に特別な被写体を求めたり、とかく***家という肩書きを持つ職業にありがちなこととも言える。そんな作家たちには戒めのような作品にも思えてくるのだが、少々厳し過ぎるだろうか。

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一連の作品は関連サイトでも覗き見ることができる。
The Third Gallery Aya
サイト⇒リンク

最近では海外でも個展が開催されているという彼女のシリーズは、現在東京でもお目にかかることができるらしい。

東京都現代美術館
サイト⇒リンク

だが、たった一つの作品で400人分の視線を浴びるのかと思うと、それはそれで少々尻ごみしてしまうかも知れない。
posted at 2005/01/22 04:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | 絵本批評
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