銀座と渋谷のフィルター

2005年01月09日
銀座フィルターという言葉があるらしい。

その街の景観そのものが、景観の構成要素である建物や各種店舗、ブランドなどを淘汰し特定の質感ならぬ景観を維持している状態を意味するという。

GINZA WAKO結局一番影響しているのは、家賃や土地代の高さだろう。

ドン・キホーテのような店舗はそこに存在しない。そんな売り方や雰囲気は銀座には似つかわしくないからだ。

まるで、高級会員クラブのように、その街角にその名を掲げるには暗黙の資格試験があるらしい…。

いや、そうあるべきはずだった。
 
最近その銀座フィルターは、効果が薄まっているという。似つかわしくないそのドン・キホーテも、すぐ近くまで忍び寄っているというではないか。

 −・−・−・−・−・−

正月も三が日を過ぎた頃からか、民放局夕方のニュースでは何度か渋谷の街角を特集していた。1月1日0時0分の渋谷の風景を。

朝は静かなハチ公前新年を迎える瞬間の渋谷ハチ公前交差点は、例年大変な混乱になるため、今年はその騒ぎに備え、スクランブルの対角横断を一時的に中止にしたそうだ。

その規制のおかげで逆に、ハチ公前、TSUTAYA前などのスペースは余計に混雑したらしいが、当然のことだろう。

それぞれの特集はその交差点の騒ぎに加え、センター街の害等取材を放送していた。地元商店組合の役員なのか、数人の年配の男性が揃いの制服で街角を巡回するのにカメラは同行していく。

◆某ディスカウントストアが歩道にはみ出して並べる商品を、店内に引っ込めるようしつこく注意する姿。その店名はまさか挙げられないが、たしかドン・キホーテ前の歩道だった。

◆何かの店の前で、そこに完全に座り込み延々とお喋りを続ける女子高生たちに立ち退くように注意をする姿。当の店の人間はそこに居ない。

◆センター街のど真ん中で人間ピラミッドを作り記念撮影しようとする若者に注意をする姿。「邪魔だよ、おっさん!」と腕をつかまれ、逆ギレし警察に助けを求める姿。

◆立ち退かせたはずの座り込み女子高生が、店頭に相変わらず居座るのを見て呆れる姿。店側が困っているといった雰囲気はそこに存在しない。飽くまで、「迷惑だからどいてあげなさい!」という態度である。

緊迫した雰囲気を無理に醸し出そうとする映像は、夜の渋谷センター街の、はるか昔とっくに当たり前になってしまったその風景を、実録ドキュメント風に伝えていく。

実際に街の中心で営業する多くの店の迎合的な店構えと、巡回を続ける彼らの間には、微妙な距離感が感じられる。

カメラはいつしか取材動機とはズレはじめ、全く別のモノに焦点があっていく。そこには、ぼんやりとしかし確実に渋谷のフィルターを捉えていた。

 −・−・−・−・−・−

街が人を選ぶのか、
店が街を選ぶのか、
人が店を選ぶのか。

もうどれが先だか後だかも判らず、それぞれが絡み合い互いに淘汰を繰り返す。そのフィルターは確かにそこに存在する。

目に見えないそのフィルターが一体どこにあるのか。きっとそれはセンター街の入り口なのだろう。

誇らしげなゲートが、TSUTAYAの脇には立っているはずだ。
ブログランキング ポチっとな!
posted at 2005/01/09 23:28 | Comment(2) | TrackBack(1) | 放送批評
この記事へのコメント
以前、銀座に勤めていたことがあります。
厳密には本社が銀座にあって、10年近く行き来した場所で、退職する前に銀座勤務になって暫く通いました。

気品のある町並みが好きでしたが、昨今銀ブラ目的で行くと入れ替わりが激しくて、当時の面影がどんどん少なくなっているような?

4丁目あたりにマツ○ヨが出来た時も、なんだか不釣合いな気がしたもんです。とはいえ、私は新橋から銀座に入り7丁目付近が活動場所だったので…フィルターは既に薄れていたのかも?(苦笑)
Posted by KAN at 2005年01月10日 14:27
>KANさん、こんばんわ!
銀座は、伯父が三越に勤めていたせいでよく連れていかれました。

昭和40年代初頭から銀ブラしていたことになります。デパートは三越、レコードは山野、あんぱんは木村屋、天ぷらは天国、文房具はITOYA、おもちゃは博品館…。

そこにマツキヨもドン・キホーテもありませんでしたし、あまり見たくはありません。

とはいえ、
時代の流れならしょうがないのかも知れません。
Posted by 映太郎 at 2005年01月10日 21:53
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバック

銀座和光はまだあるが…
Excerpt: 久しぶりに銀座に出た。 「銀座和光、  まったく変わっていない。」 マックシェークでも買って、  久しぶりに銀ブラでも、…と思ったのだが、  
Weblog: ◆映太郎の映像批評◆
Tracked: 2005-01-10 21:59
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。