選手の数だけドラマはあれど

2006年03月09日
 パラリンピック開催を直前に控え、NHKの福祉関連番組も全面バックアップ的な番組をせっせと放送している。

 昨晩深夜、アンコール放送されていたそんな番組の一つが、一人のクロスカントリー選手を紹介していた。

「福祉ネットワーク パラリンピックへの挑戦」
 ≪おじいちゃんにささげる金メダル≫
   〜クロスカントリー・新田佳浩選手〜

 強い精神力と強じんな肉体を要求する雪原のマラソン「ノルディック・クロスカントリースキー」。今、世界から注目を集める日本人選手がいる。新田佳浩さん。幼い頃左手上腕を失った新田さんは、腕を失ったからこそ得た「強い負けん気と人一倍の努力」で、ここ数年世界大会でメダルを獲得し続けている。今世界の頂点に最も近い存在だ。番組では、トリノに向け日々練習に打ち込む新田さんの姿を追う。
(番組紹介「福祉ネットワーク」から)

 番組は彼が左腕を失ったきっかけを紹介していた。
 


 新田選手が三歳の時、祖父が操作するコンバインに左腕を巻き込まれてしまったという。自らの孫の腕を奪ってしまった責任に苛まれ、祖父は孫と共に死を望むまで悩んだという。

 幼い頃の一枚の写真が映しだされる。子供ながらに無い左手を隠しカメラを見詰める佳浩クン。

 そんな彼がある日、たしか小学校高学年ほどだったか、健常や障害などといった言葉も全く関係ないスキーの大会で優勝したという。それがスキーにのめり込むキッカケだったらしい。

 番組は彼が語る夢を紹介した。

 「おじいちゃんに、金メダルをかけてあげたいんです」

 家族にメダルを掛けてあげるなんて話、メダリストならどこでもあり得ることだろう。だが、彼の生い立ちやその左腕の話を知った上で、そのメダルを掛けてあげたいという家族のことを想うと、その意味もまたまったく異なったものに思えてくる。

 彼の障害のきっかけと、その事故に人一倍の責任をずっと感じてきたという彼の祖父が、茶の間の団欒の中で笑っていた。

 共同通信社が新田選手を記事と画像で紹介している。

 共同通信社⇒リンク/記事と画像⇒リンク

 ちなみに、番組は彼の技術的な面も紹介していた。他の選手より腰の位置を高くキープし、長いストロークで走る彼の走法は、かなり有利な面が多いのだという。

 ふむ、かなり期待できるらしい。



 この手の話、やはり一旦知ってしまうと、その競技の結果がどうも気になる。

 だが考えてみればこの手のドラマは、パラリンピックだろうがオリンピックだろうが、どこにでも存在するはずである。

 そうとは判っていても、やはりつい応援してしまいたくなるのが人情というもの。他の選手にもいくらでも存在するだろうドラマを知らずに、一人だけを応援するのも、厳密に考えてしまうとどこか可愛そうではあるけれど、まぁそれも“メディアの功罪”。NHKのせいにしてみる。

 すべての選手が背負うドラマを、すべて知ってしまったら、それこそ競技の結果など或る意味観ていられなくなるのは間違いないし。

 勝っても涙、負けても涙、それどころか、その聖地に立っている姿を観るだけでも、涙してしまいそうである。
posted at 2006/03/09 22:25 | Comment(4) | TrackBack(0) | 放送批評
この記事へのコメント
どうもはじめまして。

新田くん、応援してあげてください!!

とにかく、今は彼に頑張ってもらいたいのです。

背中、押してあげてください!!

よろしくお願いします。
Posted by kon at 2006年03月10日 00:34
>konさん、オハツです!
背中ですか? では押してみましょう。

でもなぁ、なんとか頑張って押してみますが、方向間違えるとレースに支障きたすかな?
Posted by 映太郎 at 2006年03月10日 01:47
すいません、枝葉な話になるんですが
「スキージャンプペア2006Road to Torino」
大阪ではちょうど原田選手の失格が報道された頃
上映されてたんですが
それがもう3月の17日にはDVD発売。
ウインタースポーツ映画(?!)なので
パラリンピックが開催されてるうちになんとか
間にあわせようと思ったのでしょうか。
東京国際映画祭で昨年秋には上映してたから
できなくはないんでしょうけど・・・。

レベルアップしてますよ。
真面目にオチャラケててとてもウケましたから。
Posted by Ageha at 2006年03月12日 16:40
>Agehaさん、マイドです。
ペアジャンプはどこまで観たっけなぁ…。

個人的にはあの手の作品、
“短いヤツを続編無しのこれっきり一発勝負!”
なんて方がいいとは思ってるんですが、どうやら飽くなき挑戦してるようですねぇ。

なにやらDVDも出ているようですが、NHK「トップ・ランナー」の裏話も結構面白かったです。
実話、裏話、秘話、メーキング、エピソード、その手の話も好きなので。

でもやっぱ、続編が観たくなってくるなぁ。
Posted by 映太郎 at 2006年03月12日 23:50
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