クロスオーバーな夜は明けず

2004年08月05日
なにげなくFMラジオを点けると、

いつもその渋く甘い声が、

ゆっくりと語りかけてくれた。

ハードボイルドの1ページを、

焦らすように読みすすめるその声は、

眠気を誘うメローな曲といつしか溶け合い、

日付が変わろうとするその瞬間を

ふと忘れさせる。

 今日と明日が出逢う時

 
  クロス オーバー イレブン

スクリプト、狩馬映太郎。
 そしてわたくし、津嘉山 正種でした。


…なんて感じだっただろうか。
以上は映太郎風のクロスオーバーイレブンである。

実際の番組のプロローグはこんなダサい文章ではない。

NHK-FM「クロスオーバー・イレブン」

今日も一日が 通り過ぎて行きます。

昼の慌ただしさの中で

忘れていた、人を愛する優しさ、

人を信じる温もりを、そっと広げてみます。

夜空の星のきらめきと共に、

それぞれの想いをのせて

過ぎて行くこのひととき、

 今日一日のエピローグ

  クロス オーバー イレブン

 −・−・−・−・−・−
ナレーション…津嘉山正種
まさしくその名のファンサイト「クロスオーバーイレブン」では、この番組の復活を願って嘆願メールを募り、NHKに定期的に送ってくれている。
サイト⇒リンク

モノローグ風のショートストーリーを淡々とナレーションで聞かせ、その合間を深夜の静寂を乱さぬ程のスローでメローな曲で埋めていく。

津嘉山正種氏のバージョンで特徴的だったのは語りの最後の部分だ。曲が鳴り始める直前の最後の一節を読む頃には必ず、言葉とその言葉の間を少しずつゆるやかにするのだ。まるでその言葉が曲に溶け込むように。その間がまた渋く忘れられない。

この不思議なFM番組は、1979年より2001年までの約20年間NHK−FMで放送されていたという。正直私も正確なデータを持っていないが、ナレーションは津嘉山正種氏だけではなかった。とはいえ私には番組終了時に担当していた彼の印象だけが残っている。

 −・−・−・−・−・−

実際放送されているころは、たまにしか聞かなかった。生活スタイルが変わったりするとテレビやラジオというもの、あまり見る機会がなくなったりもしくは全く聴かなくなったりすることがある。

ある時、久しぶりにふとあの渋いナレーションが聞きたくなりラジオを付けてみると、津嘉山正種氏の声は流れてこなかった。

堪らなく悲しくなった。その愛していたものが無くなっていたこと、愛していたのにいつしかその存在を忘れていた自分が悲しくなった。無くなったことも気づかぬほど忘れていた自分が、悲しい。まるで、庭の隅に寂しく枯れたバラの鉢植えを見つけてしまったような悲しみを感じる。

 −・−・−・−・−・−

この番組の終了を境にしてか、津嘉山正種氏のメディアの登場機会が徐々に増えている気がする。映画のスポットCMのナレーションなどの声だけにとどまらず、ドラマや映画にも役者として登場しているのは大変嬉しい。実際それ以前の活動は何も変わらず、私が気が付かなかっただけかも知れない。

ファンページ「津嘉山正種ライブラリー」⇒リンク

私が最初に彼の声を意識したのは、テレビ放映時の『愛と青春の旅立ち』だった気がする。最近ではディズニーのCMで「火は水に恋をした…」なんてのも彼の声だったし、注目の映画のテレビスポットなどはほとんど担当しているように感じる。

津嘉山正種氏のあの声で映画のキャッチコピーを囁かれると、なぜだか全て見たくなってしまうのだ。男が聞いても憧れの声である。
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posted at 2004/08/05 00:00 | Comment(2) | TrackBack(0) | 放送批評
この記事へのコメント
クロスオーバーイレブン聞いた事あります。
もう終わってたのですね。
最近FM聞かないので・・・
Posted by ミッキー at 2004年12月22日 13:10
そう言えば、
ジェットストリームはまだやってるんでしょうか?

最近ラジオを、
とんと聴かなくなってしまい不安です。

アバンティも、
聴きたくなってきたなぁ。
Posted by 映toミッキーsan at 2004年12月22日 18:52
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