頑張らないアテントCF

2004年07月28日
華やかなテレビ番組の隙間に、静かで目立たずそれでいてキラりと輝くCFがある。時にそんななにげない作品にホロっとさせられる。大金をかけ名優を何人も起用し、思いっきり頑張って目立とうとするCFより、そんな小さなCFが見るものの琴線を優しく揺さぶることもあるのだ。

たった15秒や30秒の短い時間で、ドラマの一場面を見ているような気にさせるこのCFがとても気にいっている。

P&G2003年TVCF
≪がんばらない介護生活シリーズ≫
 アテント(大人用紙おむつ)「回想」編
CFコピー
「がんばれ」が口癖だった父親と介護する娘。いつしか父は心の中で、「自分の為にそんなに頑張るな」と願う。

-現在の介護の風景-
 (映像:寝たきりの父を介護する娘)
娘「…(父は、私を励ましてくれた。)」

-回想-
 (白黒映像:運動会で幼い娘を応援する若い父…)
父「頑張れ!頑張れ!頑張れ!」
娘「…(頑張れが口ぐせだった。)」

-再び現在の介護の風景-
 (映像:家事を続ける娘)
娘「…(そんな父が…。)」
 (映像:天井を見詰めつぶやく父)
父「俺のために、そんなに頑張るな。」

娘「…(その父の言葉で、
    無理をしていた自分に気が付きました。)」
 (映像:ふと手を休め父を見る娘)

ナレーション「頑張らない介護生活、始めませんか。」

たった数十秒の映像である。

そんな短い時間でも、私の心はしっかりと掴まれてしまった。優しくてとてもいい作品だと思った。

直接的な表現や漠然としたイメージを強調したモノなど、CFにも色々な形態やスタイルがあるが、こんなに優しく丁寧な作品がもう少し増えてくれたらとつくづく思う。

ちなみにこの作品、日本広告主協会(AJJ)主催第43回「消費者のためになった広告コンクール」(後援:経済産業省)においての受賞作品だという。納得している。
posted at 2004/07/28 00:00 | Comment(2) | TrackBack(0) | 広告批評
この記事へのコメント
映太郎様

これ、見ました。
楽になる、という表現ではなく、
「頑張らない」としたのは新しいですね。

ふつう消費者目線から語りはじめると、
ありきたりな「ちょっといい話」CMで
終わってしまいそうなのですが‥

たぶん、このCMがいいのは
商品というよりも、
介護を包む風景全体を描いているから
なのだろうと邪知しています。

「おむつが使われる現場」って
実はあまり見なれないものですから。
それをCMっぽくない、手ざわりのある
ディティールを描いているのが
あざといけど、うまい、と思います。

なかでも「頑張らない」という言葉で
心象風景のディティールを
よく描けているのが秀逸ですね。
「おむつ」という商品のターゲットを
「老人」ではなく「親」に設定したからこそ、
生まれたコピーだと思います。
そう、おむつをはかせるのは
どこかの「老人」ではなく
自分の「親」なんですもんね。

勝手ながら、またちょくちょく
のぞかせていただきます。
ではでは。
Posted by 副編集長 at 2004年12月22日 04:02
>副編集長さん、こんばんわ!
そうですね、
老人ではなく親。その言い換えに納得です。

そんな風景を丁寧に描ききると、他の状況説明のような無駄な台詞が一気に必要なくなるのでしょうか。どこかユーミンの歌詞を思い出します。

風景を描く言葉ばかりなのに、そこに登場する人物の心の中まで聴こえてくるような詩。

ノーサイドなんて曲が同様に感じます。

私が好きなCF「トヨタホーム建築現場編」も、同様の風景の中に親子の姿が映りこんでいます。覚えておますか?覚えていなければここの中を探してください。

ここにもありますけど。
http://www.geocities.jp/abc_log2001/』+
『h_log_006.html#no0065』
Posted by 映太郎to副編集長san at 2004年12月22日 04:44
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