心の砂時計―遠藤周作著

2009年12月16日
 12月16日、こんな本も読んだ。

心の砂時計―遠藤周作著/文藝春秋―文春文庫 
 
 
 
 
 
  心の砂時計

 遠藤周作著
 文藝春秋―文春文庫
 
 自宅に泥棒が入ってしばらく後、女子中学生から一通の便りが舞い込んだ。中には図書券とともに、「遠藤さんの盗まれた本代の一部にしてください」と一言したためられていた……。せちがらい世の中で人への信頼を結ぶ、宝石のようなエピソード。折々の社会問題にふれての苦言、提言、助言。時の滴りを静かに発酵させる随想録。(裏表紙紹介)


 本当は仏蘭西留学中の話だかの本を探していたのだけれど、見つからなかったので手に取った一冊。一編が2頁ほどの短い随筆を一度に数編ずつ、ちびりちびりと一か月ほど掛けて読み終えた。
 


 そういえば、狐狸庵先生がコーヒーのCMに出演していたのは、何年前の話なんだろう。もう30年は経ってるか…。

  違いのわかる男、遠藤周作。

 違いのわかる男は、海外と国内の違いを数多く指摘し、手厳しい苦言として繰り返していた。まぁその辺りの話題は別として、おもしろかったのは奥方との掛け合いである。

 長引く風邪にすっかり弱気になった狐狸庵先生。
 夕食の食卓で「今夜など、ひょっとして息を引きとるかも…」と神妙な言葉を妻に告げると、妻は「ああ、そうですか」とたった一言。「長いことお世話になりました。我儘な男でした…」と感謝の意を告げる言葉にも、妻は「ああ、そうですか」とまたたった一言。

 翌朝、すこし回復した狐狸庵先生が気分よくおはようと声を掛けると、妻は「おや、昨夜、死ぬ筈ではなかったのですか」とまた平然と一言。そしてまた喧嘩が始まった…とあった。あぁ夫婦ってこうなっちまうんだなぁと妙に納得。



 そういえば、狐狸庵先生遠藤周作とドクトルマンボウ北杜夫氏の二人の対談集を読んでひどく苦労した覚えがある。
 あれは確か高校受験の日、なぜかそんな本を試験会場に持ち込み、私は試験の合間の休憩時間に読んていたのだった。

 静まり返る試験会場で、私は二人のあまりにお馬鹿な掛け合いに、笑いを堪えるのに必死だった覚えがある。なんでまたそんな本を大事な試験に持っていったのか。今にして思えばまったく憶えていない。

 たしかあれは滑り止めの高校だったが、対談集もそれほど滑ってはいなかった。いいお守りになったということかもしれぬ。

200912161151
posted at 2009/12/16 11:51 | Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍批評
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