渋く貴重な香り

2004年12月16日
こんな画像が貼ってあるとつい誤解されそうだが、何も通販をはじめたわけではないしアフィリエートでもない。切れてしまったのだ。

NINA RICCI Ricci-ClubNINA RICCI
Ricci-Club
for men (1989)

スパイスと樹木の香りをブレンドした、オリエンタルで渋みのあるメンズフレグランス
スーツスタイルに最適。

香水なんて好んで使う人間ではない。
 
だがこの香りだけは結構気に入っていた。たまの“お出掛け”なんて時にだけ軽く浸っていたのだ。スーツスタイルに最適なんて書いてあっても、甘い香りを振り撒くような職業ではないから、仕事の日はほとんど使わなかった。

香水なんて使わない人間は、香水なんて買いもしない。好みの芳香を探し求めることなど有り得ない。この香りも、家族のイタリア土産でたまたま貰ったミニボトルをなにげなく使っているだけだった。ただの土産ゆえにブランドも品名も全く気にしないまま、いつしか中身は減っていく。小さなボトルだったからすぐに空になったが、それでも気にしていなかった。そしてそのままその存在を忘れた。

 −・−・−・−・−・−

何年かたったある日、
突然その甘く渋い香りを思い出した。

名前もブランドも忘れているのに、その香りだけを突然思い出してしまった私は、普段行かない香水ショップを巡り歩いた。店の人に色々尋ね、相談し、自分の求めているブランドがNINA RICCI:ニナ・リッチだったとわかるまで相当時間を要した。いざブランドがわかると、「Ricci−Club:リッチ−クラブ」という商品名に辿り付くにはさほど苦労はしなかった。だが、本当の苦労はそこからだった。

名前がわかれば、巡り歩く必要はない。
私は歩き回るのを止め、ウェブサイトを検索してみた。出てくる出てくる、じゃんじゃん出てくる。ショップを散々歩き回ったのが馬鹿らしくなった。

大きさの割りに単価が高く
 近所では簡単に手に入らず
  コダワル人々が欲しがるモノ


ある意味通販にとても向いている商品かも知れない。
山ほどリストアップされた検索結果に安心しきった私は、早速注文しようと、なにげなく一つのサイトを開いてみた。

「売り切れ…、
 なんだよ通販なのに品切れなんて…」

別のサイトを開いた。

「在庫無し切れ…、
 え?ここも品切れ?なんだかなぁ…」

次のサイトは、「在庫切れ…」次も「売り切れ…」
また次も「在庫ナシ…」その又次も「売り切れ…」
結局どこへ行ってもその文句が現れた。
「在庫切れ、在庫切れ、
 切れ、切れ切れ、切れ切れ切れ…」

NINA RICCI
 Ricci-Club
製造中止

・・・私が切れそうになった。

 −・−・−・−・−・−

何件もウェブを巡り歩いたうえでなんとか扱っている店を一箇所見つけ、100mlサイズのRicci-Club:リッチ−クラブを一本手に入れた。だが、苦労して手に入れた貴重なボトルも現在すでに切れてしまった。

貴重な香りはその空瓶の中にだけ詰まっている。香りを振り撒くための八角柱のその瓶は、今や香りを閉じ込めるために置いている。お気に入りのモノがいつでも何度でもいつまでも身近には置けないことを知るのは、やるせないほど悲しいものだ。

悲しくなるから忘れたい。
でもその“お気に入りの香り”を忘れたくない。

やっかいなモノを“お気に入り”にしてしまった自分に腹立たしい。でもこればかりはどうしようもない。意識して選んだモノでないだけに納得できるはずがないと、納得させている。

でもやっぱ、もう少し探してみるかな…
ブログランキング ポチっとな!
posted at 2004/12/16 14:05 | Comment(2) | TrackBack(0) | 雑題雑想
この記事へのコメント
さすが違いのわかる男・・・映太郎さんですね。
私匂いには疎いです・・・
Posted by ミッキー at 2004年12月16日 20:54
>ミッキーさん、こんばんわ!

はい、CDとCCDとCCCDの違いも区別が付かない男…映太郎です。

匂いも疎いほうですが、
鍋の空焚きにはすぐ気が付きます。
Posted by 映太郎 at 2004年12月16日 21:38
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのTrackBack URL
http://blog.seesaa.jp/tb/1310785
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。