思い立ったが墓参り…

2006年01月31日
 豆まきを直前にひかえた深大寺。その小さな藁葺きの山門には、かすかに雪が残っていた。

深大寺の山門深大寺
 そっと雪を残す山門

 結構多くの参拝者で賑わっていたのには驚いたが、実はその深大寺が目的ではなかった。もちろん蕎麦を食べに行ったわけでもない。そりゃ一応食べたことは食べたが…。

 私は深大寺の裏手に向かう。
  
 蕎麦屋と饅頭屋と、そして土産物屋が続く路地の賑わいを抜け、目立たぬ角を右へと曲がる。左手には春の花を揃えた花屋が二軒。その細い坂道を上がり切ると、そこには動物の慰霊塔が建っている。

 深大寺動物霊園⇒リンク

 動物の為の火葬場と、動物の為の霊廟と、そして動物の為の慰霊塔。何年ぶりだろうか。
 さっき通ってきた賑わいも、そこだけは遠慮するかのように届かない静かで小さな霊園は、不思議な雰囲気を漂わせていた。そこに、どこからともなく響く、低く重たい何かの咆哮。

 「あぁ今日も、大切にしていた小さなパートナーが荼毘にふされるのを、誰かがじっと待っている…」

 思わず煙突の煙を確かめてしまう。ごーっというバーナーの音が、ふととても懐かしい音に思え、それがまた悲しかった。

 父方の祖父の命日にも何もせず、母方の祖父の命日にも何もせず、気が付けばペットの墓参りに来ていたことを笑った。


 父方の祖父の墓は遠いので勘弁してもらったが、母方の祖父の命日がまさしくその日だったこともあり、午後はその祖父の眠る寺へと向かうことになった。

 「ペットの墓参りのついでじゃ、祖父ちゃん怒るだろうな。ま、行かないよりはマシか…」

 深大寺のある調布から大田区池上へと向かう。午後、車で辿り着いた池上本門寺に雪はなかった。その代わりに寺を覆う工事の足場。その本門寺本体をもまたもや通り過ぎ、またもや裏手の小さな一門の寺へ向かう。

 「じいちゃん、ごめんね…。花買ってくるの忘れちったよ」

 あぁ、思い立ったが吉日などとは言うけれど、思い立ってが墓参りとは、なんとばち当たりなことか。
posted at 2006/01/31 01:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | 風景雑感
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのTrackBack URL
http://blog.seesaa.jp/tb/12534907
※確認及び承認されたトラックバックのみ表示されます。
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。