肉球と翼と憶えきれなかったモノ

2009年08月09日
 猫の手は小さい。

 ポウ:PAWと呼ばれる手の平は開けば開くものの、何かを掴めるものではない。彼らには大変失礼ではあるけれど、いつか昔の前の世に、持て余す程にでも物を持ち過ぎ、天の誰ぞやに罰でも与えられ、小さな手の平に変えられてしまったのかなと思えてくる。

 そのせいか、彼らが逆にある意味自由に見えてならない。物を持たなくなった分ゆえか、何かの呪縛から解放されたかのように彼らがとても自由に見えてならない。

 掴める手があるから掴んでしまうのか。貯めこむポケットがあるから貯め込んでしまうのか。
 
 
 
 
 
 羽ばたく者はか弱い。

 大空を舞う自由を与えられた彼らは、他の動物たちと比べても何よりもか弱い。逃げる術を与えられたから守る術を捨てたのか、一旦運悪く羽を失った彼らは葉の露ほども生きながらえない。自由に羽ばたき自由に移動する術に縛られたゆえの不自由さ。

 彼らは何の代わりに翼を得たのか。





 憶える事を憶えた者は何よりも進化した。

 人は記憶を文字に換え一気に進化した。記憶により過去を学び、同時に未来の夢までも得た。

 だが、人は記憶を得て一体何を失ったのか。記憶を共有する言葉を得るために何を支払ったのか。

 憶える事を憶えた者が憶え切れなかったモノとは何なのか。
posted at 2009/08/09 15:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | 死生私観
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