事実は映画よりリアルである

2004年12月04日
テレビ東京木曜洋画劇場で放映されたリアルな戦争映画をつい見てしまった。

ブラックホーク・ダウンブラックホーク・ダウン
(2001/アメリカ)

監督リドリー・スコット
出演ジョシュ・ハートネット
  ユアン・マクレガー

1993年ソマリア
そこでの虚しい市街戦の様子を再現した戦争再現映像

映画の存在はなんとなく知ってはいたのだが、あまり見る気はしなかった。しかし、テレビ放映の予告ナレーションを津嘉山正種氏が語っていたせいで、ついチャンネルを合わせてしまった。
 
津嘉山正種氏の声がたまらなく好きである。
先日の「ローマの休日」でもその渋い声でグレゴリー・ペックを担当していた。この「ブラックホーク・ダウン」でも将軍役の吹き替えで登場していたので、PC作業のBGVとして結局全編見てしまった。

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映画の戦闘シーンを見ていると、ふと何かデジャブーに近い印象を感じ始めた。見覚えのある映像が何なのかを考えながら、ストーリーを無視してボーッと見続ける。しばらくして思い出したのは、このところ定期的に送出されるニュース映像だった。

長い台詞はあまりなく、
 淡々と続く無情な戦闘シーン

ニュース映像との違いはブレないカメラワークと、銃を構える者を前から撮っている有り得ない構図くらいだろうか。作品紹介のコメントを思い出した。

生々しい体感映像で再現した戦争映画

生々しい体感映像で再現してくれなくても、ここ一年ほどこんな映像見ない日はないではないか。

事実は再現映画より
 よっぽどリアルである


 −・−・−・−・−・−

第二次世界大戦が繰り広げられていたその瞬間、私はまだ生まれていない。
だが、歴史の教科書で見聞きし、戦争映画で学び、父や母からも聞いてきた。

その戦争が“世界大戦”と呼ばれたとしても、世界には同じ瞬間平和な場所がいくらでもあったと思われる。毎日毎日大砲や鉄砲の弾が飛び交い、日々何百人という人々が死んでいった同じ瞬間に、平和に暮らしていた人だって世界には何千万といたはずなのだ。

そんな人々はラジオ報道やニュース写真を見てどう思ったのだろう。
現在の私たちのようだったのだろうか。

 −・−・−・−・−・−

いつの頃からか、ニュースで聞くある言葉に私は違和感を覚えはじめた。

戦後うん十年…、戦後初の…、戦後生まれの…。

戦争が勃発する瞬間まで戦後なんだろうな。

考えてみれば戦後なる時代は現在形でしか有り得ない。
その言葉が過去形過去完了形となる時代には、現在には知りえないどこかの年を境目にして戦前と呼ばれることになるかも知れないではないか。

第二次大戦開戦の前日を
第一次大戦の戦後と呼ぶ歴史学者はいない

だから私は
 戦後という言葉を使いたくない

 −・−・−・−・−・−

現在の日本で、
自分の母国“日本”が世界大戦に参加している自覚を持つ人はいるだろうか。

世界大戦?
違うだろ!世界大戦だなんて…。

第二次世界大戦当時の世界の情勢とどこが違うのか。

十年前の過去の出来事、1993年の“とある戦争の風景”を再現映像として見ていたはずが、その“映画の中の世界”と“現在のキナ臭い現実世界”がピッタリ重なってくることを思うと、たった今の地球は戦争中だったんだと思えてならない。

その違いなんて、日本が銃や大砲の前から後に席替えしただけではないか。
どっちが正しいとか、どっちが悪いとかなんて終わるまでわからないし。

勝てば官軍。
その言葉を手に入れるために戦っているとしか思えない。

 −・−・−・−・−・−

ところで、映画の中のある台詞が変な意味でリアルだった。

「いつになったら撃つんですかーっ?」
「ピューンと音がしたら撃てーっ!」
敵が一旦攻撃を始めたら、あとは何をしてもいいってことらしい。

どこかの国の“白い家”でも同じ台詞がやりとりされていたのだろう。

「ピューンと音がしたら攻撃しろ!」

その音は、世界貿易センタービルの崩壊する音だった。

“白い家の主”にとっては、“待ってましたっ!”の音だったんだろう。
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posted at 2004/12/04 05:31 | Comment(0) | TrackBack(0) | 映像批評
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